「人が逃げる組織」のリーダーが知らない、対話の4カ条とは?(1/3 ページ)
人が逃げる組織ができてしまう要因は、単に「働き方」の問題だけではありません。マネジャー側の要因と、「人が逃げる組織にしないためにリーダーができること」についてお伝えします。
さまざまな働き方が増えてきた昨今、リモートワークも主流となり、昔のように直接顔を合わせることも少なくなってきたかもしれません。働き方の変化によってメンバーの管理育成がしづらくなった、チームとして崩壊しかけている、メンバーの仕事のモチベーションが分からない、退職者が増えてきた……とマネジメントに悩むリーダーは多いのではないでしょうか。
人が逃げる組織ができてしまう要因は、単に「働き方」の問題だけなのでしょうか。今回は人材企業の代表を務める著者のマネジメント経験を基に、マネジャー側の要因についてお伝えします。
そもそもは「採用」の失敗
本稿では「人が逃げる組織にしないためにリーダーができること」についてお伝えしますが、人が逃げる組織のそもそもの原因は、「採用の失敗」にあります。「合っていない」ことによる不満です。
リーダーが「どういう人を採用したか」、あるいは「どういう人を採用したいか」を理解していないことにも、ミスマッチの理由があります。このようなミスマッチを事前に防ぐためにも、リーダーは積極的に採用プロセスに参加し、自分のチーム作りに取り組みましょう。
人が逃げる組織の原因は、「リーダーの性質」
大前提ですが、「人としてアウト」な人間はどれだけ仕事ができようが「リーダーとしてアウト」です。物に当たる、全員の前で個人の尊厳を踏みにじるような誹謗中傷、セクシュアルな発言をするといったハラスメント行為をする人を敬うことはできませんし、人はついてきません。
また、リーダー自身が間違っていたとき、メンバーに対して謝れないのも問題です。「ありがとう」を言えず、会話の際もPCに顔を向けたまま。あいさつされても会釈で終わらせる……なども「人としてアウト」のうちに入るでしょう。
その上で、チームはリーダーの性質によって、常に不満を持っているチームと、不満を持たずにチャレンジするチームに分かれます。両者を分けるのはリーダーが「メンバーと向き合えているか」です。ポイントは、リーダーが「メンバーのために自分がいる」と考えるか、「自分のためにメンバーがいる」と考えるか、どちらの考えを持つかです。
「メンバーのために自分がいる」と考えられるリーダーは、まず自分の存在価値を考えます。「メンバーが自分を評価する」という考えでいるので「メンバーに自分がどう役立つか、どうやってメンバーのパフォーマンスを上げたらいいか」を考えながらマネジメントします。
そうすると、おのずとメンバー個々の性格や特徴を見ながら、下記のように対応が変わっていきます。
- 自ら成長する人へは細かく口出しはしない
- 不安を抱えやすい人には定期的に1on1を実行する
- 営業担当であれば同行する
- メンバーのメンタルフォローや、業務のレクチャーをする
また、感謝の表明やメンバーの成長を伝えられたり、自分が間違っていたことに対して言い訳せず謝罪ができたりと、自らコミュニケーションを取ろうとします。
そういうリーダーがいるチームは、チーム全体の成長だけではなく、メンバー個々人が成長し、自信につながり常にチャレンジをし続けるチームでいられます。
一方、「自分のためにメンバーがいる」と考えているリーダーは、メンバーと向き合うというより、指示したことができているかどうかのチェックのみになります。指示したことを「やっているか」「やっていないか」の確認をし、やれていなかった場合は状況や背景を聞かずに「なぜできていないのか?」を追求するようなコミュニケーションが中心になりがちです。
このようなリーダーのいるチームは、チームとして良い成長はしづらく「追求されないように」「怒られないように」と仕事をするようになります。そうなると主体性がなく常に不満を持っているチームになっていき、最悪、メンバーの離職が発生してしまうのです。
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