外部のデジタル人材を市町でシェア 他自治体もうらやむ愛媛県のDX施策とは:専門家5人をシェア(2/3 ページ)
プロモーションのDXを皮切りに、さまざまなDX施策を推進してきた愛媛県。その動きは県外から自治体DXの先進例として注目を集め、総務省が2022年9月2日に発表した「自治体DX全体手順書【第2.0版】」で、ある取り組みが他の都道府県や市町村のモデルケースとして紹介された。
デジタル人材の有効活用
専門官の業務は、自治体からの問い合わせに対し知見や経験に基づいたアドバイスを行うこと、デジタル人材を育成するための研修プログラムを作ること、自治体とデジタル人材や関連企業とのマッチングなど多岐にわたる。また、自治体が進めるべきDX施策の提案も行っており、愛媛県のDX施策の要とも言える存在になっている。
一方、自治体のニーズと専門官の担当領域のミスマッチや、専門官同士の連携が取れないといった問題も発生した。そこでシェア事業をバックアップする「チーム愛媛DX推進支援センター」を設立し、限られた専門官を最大限に有効活用できるようにしているという。
高齢者のデジタルバイド解消
自治体DXを進めていく上で避けては通れないのが、高齢者のデジタルバイド(情報格差)の解消だ。コロナ禍で行政手続きや病院予約などのオンライン化が加速する中、スマートフォンやパソコン、インターネットを使いこなせない高齢者へのフォローは急務となった。
そこで日本郵便四国支社と楽天モバイルが連携し、特に高齢者の割合が高い山間部・離島を中心とした100局の郵便局に、サポートセンターに接続できるタブレットを配備した。利用者は、前日までにコールセンターに予約の電話をすれば、当日1回30分までオペレーターにスマホの使い方を習うことができる。
自身の子どもが遠方にいてなかなか相談できない、過疎化が進み、周りにスマホを使いこなせる若者がいないといったケースが少なくない。そうした高齢者にとって、身近な郵便局で相談できる窓口を設置することで、デジタル機器の利用を促進し、徐々にデジタルデバイドを解消していく狙いだ。
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