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値上げラッシュで「ディスカウント店」好調 市場規模は初の4兆円へ店舗数は15年で3倍

値上げラッシュによる節約志向の高まりを追い風に、「安売り」を前面に押し出すディスカウント店の存在感が増している。

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 値上げラッシュによる節約志向の高まりを追い風に、「安売り」を前面に押し出すディスカウント店の存在感が増している。帝国データバンクの調査によると、ドン・キホーテや業務スーパー、Big-Aなど国内ディスカウント店市場は、2022年度に初めて4兆円規模に達し、過去最高を更新する見通しとなった。

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値上げラッシュを追い風にディスカウント店が好調(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 店舗展開にも積極的だ。ディスカウント大手10社の店舗数は3月時点で2939店。コロナ前の19年度からは291店、リーマン・ショック時の08年度からは1764店増加した。

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ディスカウント店市場 推移(帝国データバンク調べ)

 10月時点における各社の店舗数や予定数を含めると、23年3月までに3000店を超える見通しとなる。大型の郊外店舗の他、特定の食品分野に特化した都市部の中小型店舗の出店なども旺盛で、年間平均で約100店舗の増加が続いている。

 また、各社ともナショナルブランド(NB)品の価格引き下げに加え、NB品よりもさらに安価なプライベートブランド品を各商品カテゴリーで展開。同社は、「需要の取り込みに注力したことで、低価格志向の消費者をはじめ幅広い顧客層から強い支持を受けていることも、業績の押し上げにつながった」と指摘する。

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ドン・キホーテの情熱価格(公式Webサイトより引用)

 来年も値上げは続く。11月末時点での値上げ予定の食品は4000品目を超えている他、飲料や酒類、ティッシュやトイレットペーパーなど生活用品が来年2月にかけて再び一斉値上げ予定だ。同社は、「消費者生活において物価高の波を一層実感せざるを得ない局面が迫る。低価格を武器とするディスカウント店はより需要が高まるとみられ、22年度以降も引き続き市場の成長が期待できそうだ」とコメントしている。

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