駅と電車内の迷惑行為ランキング 「扉付近で乗降の妨げ」「騒々しい会話」を上回った1位は?:日本民営鉄道協会が発表
全国の私鉄72社が加盟する日本民営鉄道協会(東京都千代田区)は12月20日、2022年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表した。アンケート調査の結果、「座席の座り方(詰めない・足を伸ばすなど)」が昨年の2位から、2年ぶりの1位となった。
全国の私鉄72社が加盟する日本民営鉄道協会(東京都千代田区)は12月20日、2022年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表した。アンケート調査の結果、「座席の座り方(詰めない・足を伸ばすなど)」が昨年の2位から、2年ぶりの1位となった。
アンケートは駅と電車内でのマナー向上を目的に、同協会が1999年から実施している。今回の調査は10月1日〜11月30日の2カ月間、インターネットで実施し、3305人から回答を得た。
1位となった「座席の座り方」(34.3%)のうち、最も迷惑に感じる行為は「座席を詰めて座らない」(43.3%)、「座りながら足を伸ばす・組む」(23.4%)、「荷物や身体が隣の人にぶつかる」(15.2%)といった項目が上位になった。
2位は昨年1位だった「騒々しい会話・はしゃぎまわり」(33.9%)がランクインし、3位は昨年と同じく「乗降時のマナー(扉付近で妨げるなど)」(27.0%)となった。
「乗降時のマナー」のうち、最も迷惑に感じる行為は「扉付近から動かない」(58.7%)が最も多く、「降りる人を待たずに乗り込む」(19.7%)、「駆け込み乗車」(6.4%)が続いた。
今年度のアンケートの特徴として、昨年6位だった「荷物の持ち方・置き方」が4位に上昇した。5位には「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」(昨年4位)、6位には同率で「スマートフォンなどの使い方(歩きスマホ・混雑時の操作など)」(同5位)、「ゴミ・ペットボトルなどの放置」(同7位)が続く結果となった。
コロナ禍で気になることは?
新型コロナウイルス感染症がまん延する中で、電車利用時に気になることも尋ねた。1位は「マスクの未着用者」(57.5%)、2位は「周囲の人の会話」(46.5%)、3位は「車内の換気」(38.3%)、4位は「隣の人との距離」(37.8%)、5位は「車内での飲食」(31.6%)という結果になった。
駅や電車内でのマナーが以前に比べて改善されたと思うかと尋ねたところ、「変わらない」との回答が47.3%で最多となった。一方で、昨年に比べ「改善された」「やや改善された」の割合がそれぞれ増え、「やや悪化した」「悪化した」の割合は減少した。
「心が温まった」と感じたことは?
電車や駅の利用時に「うれしかった」「心が温まった」行為についても聞いた。「妊婦やお年寄り、怪我をしている方などに席を譲っていたこと」や、「駅員さん・車掌さんの温かい一言・アナウンス」「駅構内がきれいに保たれていること」などといった回答が寄せられた。
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