低迷していた「ミスド」なぜ復活? 背景に、第三次ドーナツブームと行列のできる人気店:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
低迷していた「ミスタードーナツ」の売り上げが回復基調にある。ドーナツ市場が縮小する中で、いかにして復活できたのか。かつて経験したコンビニとの“死闘”も振り返る。
ポケモンとのコラボが好調
今期も引き続き、「祇園辻利」「BAKE CHEESE TART」「クロッカンシュー ザクザク」をイメージした商品が好調。アップルパイ専門店「RINGO」とのコラボ商品や、国産フルーツのフィリングを使用した「エンゼルフルーツ」、ハローウィンの季節商品なども良く動いた。前々期から発売している「台湾果茶」をブラッシュアップした、「フルーツティ」もゴロゴロとしたフルーツとナタデココの食感が新鮮と、順調に売れた。
ミスタードーナツでは、18年より前出のmisdo meetsや「ミスドゴハン」に注力している。
ミスドゴハンは、間食やカフェ利用にとどまらない、食事メニューの強化として打ち出している。飲茶を中心に、「エビグラタンパイ」などのパイ、ホットドッグなどの軽食を提供している。かつては、パスタを提供していたこともあった。
飲茶では現在、たまごチャーハン、汁そば、四川担々麺、シーズンメニューの鶏柚子生姜麺、海鮮野菜麺を提供している。ラーメン好きの女性でも、ラーメン店には入りにくいと感じている人が多い。ドーナツショップならば抵抗がない、という線を狙っている。
また、顧客の来店数を増やすために、居心地の良さを向上させたカフェ仕様の店舗改装を進めた。改装にあったって、ミスタードーナツでは店内でドーナツを調理して提供していることが意外と知られていなかったので、その様子が見えるようにオープンキッチンに変更。ドーナツのピックアップを、顧客がセルフサービスで行うカフェテリア方式を採用して、人件費を削減している。
このような商品と店舗の改善によって、少々時間はかかったがミスタードーナツに顧客が帰ってきたといえるだろう。
22年3月1日には、小麦粉、食用油の原材料費高騰を踏まえて、一部商品で値上げを行ったが、すんなりと受け入れられた。従来は110円(税別、以下同)だった「ポン・デ・リング」「オールドファッション」などの商品は120円となった。
11月25日に再び値上げし、120円だった商品は140円となっている。今回の値上げは前回に比べても、価格が高くなったという実感が強い。クリスマス商戦では今年もポケットモンスターとのコラボ商品を投入。年末には福袋が発売される書き入れ時となっているが、影響がどう出るのかが、注目される。
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