NTT東日本の「売店」を大改造! データを分析したら、どうなったのか:「実証実験」の結果(1/4 ページ)
NTT東日本の本社ビル内に、昔ながらの「売店」があった。しかし、である。売り上げが伸び悩んでいたこともあって、テクノロジーをどんどん導入することに。その結果、どういったことが起きたのかというと……。
64.6万円、52.6万円、51.8万円――。
「なんだよ、いきなり数字を並べやがって」と思われたかもしれないが、コンビニの関係者であればピーンときたかもしれない。1店舗当たりの1日の売り上げのことで、「日販」と呼ばれている。当然、この数字は大きければ大きいほどいいわけで、先ほど紹介した数字は左から、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの“成績”である。
大手のコンビニオーナーであれば、日販は50万円を超えたいところ。都会の店舗であれば家賃や人件費などを考えると、このくらいの数字がなければ安定的に運営することが難しいわけだが、「3万〜30万円」でも十分にやっていけるというビジネスモデルが登場した。
NTTグループのテルウェル東日本(東京都渋谷区)がそのことを証明したのである。NTT東日本の本社ビル内に昔ながらの売店があって、そこを「スマートストア」と名付け、大改造したのだ。
利用するのは簡単である。スマートフォンの専用アプリでQRコードを表示して、それをゲートにかざして入店する。「パンを買いたいなあ」と思えば、購入する商品のバーコードをアプリで読み込み、セルフレジでキャッシュレス決済をすればいいだけ。あとは店をそのまま出ても、警備員から「ちょ、ちょっと、そこの君ぃ〜」と声をかけられることもない。
店の天井に目を向けると、AIカメラがズラリと取り付けられていて、お客の行動を分析している。データを見ながら「どんな商品を並べればいいのか」「来週はこんなモノが売れるかも」といった予測などに役立てているようだ。
関連記事
- 「サクマ式ドロップス」製造元が廃業に追い込まれた、これだけの理由
「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が2023年1月に廃業する。廃業の理由として、同社は「コロナ」と「原材料高騰」の2つを挙げているが、本当にそうなのか。筆者は違った見方をしていて……。 - 「マルチ商法の優等生」アムウェイは、なぜこのタイミングで“お灸”を据えられたのか
日本アムウェイ合同会社に対して、消費者庁が勧誘などの一部業務を6カ月間停止する命令を出した。「昔から同じようなことをやっているのに、なぜ今なの?」と思われたかもしれないが、どういった背景があるのか。さまざまな憶測が飛び交っていて……。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 「田園都市線」は多くの人が嫌っているのに、なぜ“ブランド力”を手にできたのか
「通勤地獄。なぜあんなところに住むのか」――。SNS上で「東急田園都市線」が批判されている。街は整備されていて商業施設もたくさんあるのに、なぜこの沿線をディするのか。その背景に迫ったところ……。 - 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』――最も高い家に住んでいるのは? 査定してみた
国民的アニメの主人公は、どんな家に住んでいるのでしょうか? 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』の自宅を査定したところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.