連載
LCCはコロナ前より成長しているのに、なぜANAはまだ回復途上なのか?:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(3/5 ページ)
コロナ禍で一時新卒採用を中止するなど、苦しいイメージの航空業界。苦境の底は脱した感がありますが、とはいえ今もANAは回復途上の状況です。コロナ前より成長しているLCCと、なぜ差がついたのでしょうか。
需要はどの程度回復したのか
続いて主力の航空事業について、もう少し詳しく業績を見ていきましょう。
航空事業全体としては、売上高は前年同期比92.5%増の7128.0億円、営業利益は前年同期が1137.0億円の赤字から399.0億円の黒字に転換しています。
航空事業単体では売り上げが倍増し、黒字化にこぎつけた形です。これはコロナ禍以降では最高の売り上げで、旅行需要の回復に伴い業績が回復したことが分かります。
もう少し詳細な売り上げの推移を見てみると、
- (1)国際旅客(ANA):売上1614億円(430.9%増)
- (2)国内旅客(ANA):売上2428億円(117.2%増)
- (3)貨物郵便(ANA):売上1998億円(29.7%増)
- (4)LCC:売上408億円(213.8%増)
となっていて、どの事業も大きく業績が伸びており、回復が進んでいます。
ANAの発表によると、国内線ではビジネス需要が堅調に回復している一方で、コロナ第7波の影響でレジャー需要は悪影響を受けているとしています。
国際旅客に関してもビジネス需要が回復してきたと分析しており、今回の23年3月期の第2四半期(22年7〜9月)に関してはどちらかというとビジネス中心の回復だったことが分かります。
10月以降は全国旅行支援などもありレジャー需要が一気に回復しているため、さらに回復が進む可能性は高いでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
7割が「不満」 冬ボーナスの支給金額 3位「5万〜10万円」、2位「30万〜50万円」、1位は?
ヒューネルがボーナスに関する調査結果を発表した。最も多くの人が回答した金額帯はいくらだったのか?
「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差
「『課長まで』で終わる人と、出世する人の決定的な差」とは何か? がむしゃらに働いても、出世できる人とそうでない人がいる。その明暗を分けるたった1つのポイントを、解説する。
上場企業の「想定時給」ランキング、3位三井物産、2位三菱商事 8000円超えで「ぶっちぎり1位」になったのは?
上場企業の「想定時給」ランキング……。3位三井物産、2位三菱商事に続き「ぶっちぎり1位」になったのは?
“スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」
コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。
職場の「いつも偉そうな女性」はなぜ生まれるのか 多くのお局さまに共通している心理を専門家が解説
本連載は産業カウンセラーの川村佳子氏働く女性ならではの“お悩み”を解説するシリーズ。第1回目は、「いつも偉そうと言われてしまう40代女性」の心情、原因について掘り下げます。


