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LCCはコロナ前より成長しているのに、なぜANAはまだ回復途上なのか?:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(2/5 ページ)
コロナ禍で一時新卒採用を中止するなど、苦しいイメージの航空業界。苦境の底は脱した感がありますが、とはいえ今もANAは回復途上の状況です。コロナ前より成長しているLCCと、なぜ差がついたのでしょうか。
国際線需要の大きな落ち込みが痛手に
要因としては固定費が大きい事業であることに加えて、売上規模の大きかった国際線の需要が完全になくなってしまったことが影響しています。国内の移動が中心のJR各社と比べると、その差は大きいです。
直近の業績を見ていきます。今回見ていくのは2023年3月期の第2四半期までの業績です。
売上高は83.4%増の7907億円、営業利益は1160億円の赤字から314億円の黒字に転じ、純利益も988億円の赤字から195億円の黒字と増収で黒字転換しています。苦しい状況が続いていた航空関連の業界でしたが黒字化できる水準までは回復してきているのです。
フリーキャッシュフロー(通常の営業活動を通じて稼いだキャッシュから事業継続に必要なキャッシュを引いた金額)も1502億円のプラスとなっていて、本業を通じてキャッシュを稼げる状況となっています。
フリーキャッシュフローの推移を見てみると、コロナ禍の影響が大きく出た20年度の上期はマイナス2552億円、下期はマイナス1182億円。21年度の上期はマイナス1258億円でしたが、下期は138億円のプラスとなっており順調に回復が進んでいます。
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