漫画雑誌「イブニング」が休刊へ 発行部数が直近3年で3割減 「電子シフト」も影響か:『もやしもん』『いぬやしき』の掲載誌
講談社の漫画雑誌「イブニング」が休刊を発表した。23年2月末発売分をもって休刊する。直近3年で発行部数は3割減っており、背景には読者の「電子シフト」も影響していそうだ。
講談社は12月27日、漫画雑誌「イブニング」の休刊を発表した。2023年2月28日発売の「イブニング6号」をもって休刊する。
同社によると、イブニングは漫画雑誌「モーニング」の増刊として発売した「モーニング新マグナム増刊」を基に、01年に「月刊イブニング」として創刊。03年に毎月第2・4火曜日の発売へと切り替わった。実写化を果たした『もやしもん』や『いぬやしき』を中心にこれまで数々の人気作品を生み出している。
一方で、発行部数は近年低下を続けていた。日本雑誌協会が発表している直近のデータ(22年7〜9月)によると、同誌の印刷証明付き発行部数は、4万2467部。18年は7万5000部を超える期間もあったが、19年10〜12月に7万部を割り、20年10〜12月には6万部割れしている。
休刊の背景は?
今回の休刊には、読者層の「紙離れ」も影響していそうだ。全国出版協会・出版科学研究所によると、14年から21年にかけて、出版物売り上げシェアにおける「紙雑誌」の割合は37.6%から20.5%に低下。一方で、「電子コミック」は5.2%から24.6%へと、5倍弱伸びている。
講談社では、漫画アプリおよびWebコミック配信サイト「コミックDAYS」を18年にリリースし、22年5月時点でアプリのMAUは70万UU、Webは月間で200万UUまで成長している。中でも25〜34歳男女がメインユーザー層となっており、「30代男女を対象とした本格コミック誌」を掲げるイブニングにとって、主要読者層の電子シフトがもたらした影響は少なからずありそうだ。
講談社によると、23年3月以降、イブニング編集部はモーニング編集部と合流。一部作品は同社の漫画アプリ「コミックDAYS」で連載を継続するという。
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