2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

「パンケーキ酷評」「大量食べ残し」……世界一の美食国・ニッポンで絶えない、“食の炎上事件”のなぜ22年飲食シーンを振り返る(1/5 ページ)

ミシュランガイドで星を獲得したレストランの数で世界を圧倒する東京。世界一の美食国を誇る一方で、国内では食にまつわるさまざまな“炎上事件”が起きている。フードジャーナリストの東龍氏が22年の飲食シーンを振り返る。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

 2022年はどのような年であったであろうか。

 年末の恒例となった「ユーキャン 新語・流行語大賞」には、プロ野球ヤクルト・村上宗隆選手の活躍ぶりを表す「村神様」が選ばれた。テレビ放送のデータベースを生成するエム・データが発表した「TVニュースランキング」では「ロシア、ウクライナへ軍事侵攻」が1位、グーグル日本法人が発表した検索ランキングでは「安倍晋三」元首相が1位となっている。

 食に関するトレンドでは、ぐるなび総研が発表した「今年の一皿」は「冷凍グルメ」となり、「HOT PEPPER」が行ったアンケート「22年の流行グルメ」では「マリトッツォ」が2年連続1位となった。


「22年の流行グルメ」で2年連続1位となった「マリトッツォ」(ゲッティイメージズ)

 「ミシュランガイド東京2023」では東京が引き続き世界でナンバーワンの星をもつ都市となり、アルゴリズムを用いたフランスの「ラ・リスト 2023(LA LISTE 2023)」ではトップ1000レストランのうち、日本が138軒で世界トップ。

 日本が世界でも有数の美食国であることが誇示された一方で、国内では食にまつわるさまざまな“炎上事件”も起きている。

 食に関する良いニュースからそうではないニュースまで、今年、印象に残ったものをランキング形式で順番に紹介していこう。

【第5位】日本料理「傳」アジアのベストレストラン50で1位に

 最初はアジアのベストレストラン50で日本料理店「傳」(でん)が1位になったこと。

 アジアのベストレストラン50は、2013年に始まったレストランのランキングだ。02年に開始された世界のベストレストラン50から派生したランキングで、アジアの6地域318人の審査員が10票ずつを投じ、1〜50位まで決まる(21年版からは51〜100位も発表されている)。ミシュランガイドの調査員による合議制やラ・リストのアルゴリズムとは異なり、専門家の投票によって決まるのが特徴だ。


アジアのベストレストラン1位「傳」の長谷川在佑シェフ(プレスリリースより)

 19年末、天才料理人が東京で三ツ星レストランを目指すTBS系ドラマ「グランメゾン東京」が放送され、フランス料理ブームや美食ブームが訪れるかと期待されたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、ムードは沈下。飲食業界は、時短営業と酒類提供の禁止によって通常営業できず、利用者も外食を控えた。コロナ関連の倒産件数で、飲食店が業態別で最多を記録したことは記憶に新しい。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る