「受験生しか見えない」広告なぜ出した? 担当者が伝えたかったメッセージとは:体験型の広告(1/2 ページ)
12月、東京の渋谷・池袋駅に掲示された、ある飲料商品の広告が話題を呼んだ。複数のカラーを重ね合わせたモザイク状のデザインで、一見したところ、メッセージらしきものは読み取れない。実は、あるものを広告にかざすことでメッセージが浮かび上がる、ユニークな仕掛けが施されていた。
12月、東京の渋谷・池袋駅に掲示された、ある飲料商品の広告が話題を呼んだ。複数のカラーを重ね合わせたモザイク状のデザインで、一見したところ、メッセージらしきものは読み取れない。実は、あるものを広告にかざすことでメッセージが浮かび上がる、ユニークな仕掛けが施されていた。
サントリー食品インターナショナルが2019年に発売したエナジードリンク「ZONe ENERGY」(ゾーンエナジー)。「無敵のゾーンへと導く」と銘打つ同商品は、カフェインを豊富に含み、仕事や勉強、趣味の合間に飲んで眠気を覚ます商品として売り出している。
工夫が凝らされた体験型広告
今回の広告は、来年1月14、15日に実施される大学入学共通テストを控え、受験生に向けた応援メッセージを発信しようと企画した。どうすれば受験生にメッセージを届けられるか――。企画担当者が考えたのは、赤シートをかざすことでメッセージが読み取れる「体験型広告」だ。
「電車の中で実際に赤シートを使って勉強している学生の姿を見かけたのが発案のきかっけです。多くの人がスマホを操作する中で、真剣な顔つきで勉強する学生の姿が目に留まり、応援してあげたいと考えました」(企画担当者)
モザイク状の広告に赤シートをかざすと、受験生に向けたメッセージが浮かび上がる。「小さな積み重ねが君の才能を開放する」「これを見ている君に幸あれ」――。全6種類を作成し、うち3種類は著名なインフルエンサーにメッセージを作成してもらった。
12月5日から予備校が密集する渋谷・池袋の両駅に掲示したところ、SNSを中心に想定を上回る反響が広がった。「現地へ見に行く」「泣きそうになった」という受験生の声のほか、「息子に見せたい」といった投稿も。「受験生だけでなく、周囲の人も一緒に応援し合う雰囲気を感じられました」と企画担当者は語る。
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