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企業経営におけるサプライチェーンの重要性:事業環境の変化に(2/5 ページ)
2022年は企業経営における歴史的転換点になったかもしれません。GAFAなどの巨大ITプラットフォーマーによる支配が終わり、サプライチェーンの構造改革や調達改革などで強みを持つ企業が、業界内でも好業績を上げる時代になりつつあるのです。
次は自動車業界のトヨタ自動車とテスラです。
トヨタ自動車の2022年度第二四半期の決算は、営業収益が17兆7093億円(前期比2兆2280億円増)にかかわらず、四半期利益は1兆1710億円(3534億円減)と増収減益となっています。
要因としては、資材高騰などで7650億円減益となっているだけでなく、半導体などの供給不足から当初計画の970万台の生産台数を920万台に引き下げざるを得ない状況です。テスラの2022年7-9月期の決算は、売り上げが前年比1.5倍の214億5400万ドル、過去最高を更新しています。
また、利益も前年の2倍にあたる32億9200万ドルで、増収増益となっています。また、世界全体の販売台数は、34万3830台と1.4倍余りの増加となっており、半導体不足でありながら、販売台数を増加し、原材料の高騰分を価格に転嫁することもできているとのことです。
テスラの強みは、自動車業界内での圧倒的な垂直統合型モデルにあります。近年の供給不足に対しても、半導体の内製化などを速やかに適応可能にしています。また、テスラは最も川上である鉱山会社との関係性強化や、代替材料の採用などを積極的に進め、サプライチェーンの構造改革を柔軟に取り組んでいるようです。
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