0円廃止、契約者減、プラチナバンド割当て……23年も目が離せない楽天モバイルの行方は?:房野麻子の「モバイルチェック」(2/4 ページ)
2022年のモバイル業界を振り返ると、常に楽天モバイルを取り巻く事案が注目されたという印象だった。23年も目が離せそうにない。
携帯電話事業の収益は、契約者数とARPUのかけ算といわれる。引き続きARPUを上昇させるとともに、減ってしまった契約者数を上げなくてはならない。同社が取り組みを強化すると発言しているのが地方だ。人口カバー率が95%を超える東京23区では申込率が10%を超えているが、カバー率が低い地方では申込率も低い。地方のエリア拡充が必要と考えているはずだ。
楽天モバイルに対するプラチナバンド割当ての行方
エリア拡充に有効と同社が考えているのが、電波がつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」の獲得だ。電波の有効利用を促進するため、「デジタル変革時代の電波政策懇談会」が、割当て済みの周波数を比較審査で再割当てする仕組みを導入する必要があると提言したことを受け、22年10月に電波法が改正。それによって、競願を申し出れば、比較審査によって電波をより有効利用できると判断された事業者に周波数を再割当てすることが可能になった。
当然、楽天モバイルはプラチナバンドの再割当てを強く要望。しかし、現在、プラチナバンドを保有している既存免許人(ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社)からさまざまな懸念が指摘されたことから、「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース」が設けられ、周波数の移行期間や移行費用の負担の在り方などを中心に検討が行われた。
タスクフォースの会合で楽天側が要望していたのは、既存3社が保有しているプラチナバンド、800MHz帯、900MHz帯から5MHz×2幅ずつ、合計15MHz×2幅をもらうこと。また、周波数は1年で速やかに移行され、その際にかかる費用は既存免許人が負担すること、などだ。
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