0円廃止、契約者減、プラチナバンド割当て……23年も目が離せない楽天モバイルの行方は?:房野麻子の「モバイルチェック」(3/4 ページ)
2022年のモバイル業界を振り返ると、常に楽天モバイルを取り巻く事案が注目されたという印象だった。23年も目が離せそうにない。
楽天の要望にドコモ、KDDI、ソフトバンクは反発
それに対して、当然、既存3社は反発した。周波数の再割当てそのものについては賛同したものの、プラチナバンドは実際にサービスを提供している最中の周波数帯域であるだけに、さまざまな対処が必要だと指摘したのだ。例えば、保有する周波数帯が変わることで、電波を増幅するためのレピーター交換や電波干渉を防ぐフィルタの挿入が必要で、それらに10年程度かかるとの見通しが出た。帯域が縮小することで、ユーザーを収用するために基地局の増強も必要とされた。そして、こうした対処に各社とも約1000億円の費用がかかると試算した。
タスクフォースでの議論はほぼ平行線のまま終わったが、まとめられた報告書(案)は、楽天モバイルの要望がほぼ受け入れられた形となった。移行期間は5年、移行にかかる費用は、原則として既存免許人の負担とされている。
ただし、これは再割当ての仕組みを整えただけに過ぎない。割り当てられるには、比較審査で他事業者よりも周波数を有効活用できると認められる必要がある。現時点で楽天モバイルにプラチナバンドが与えられると決まったわけではない。しかし、楽天モバイルは獲得に自信を見せており、24年3月からプラチナバンドを利用すると、11月11日の第3四半期決算説明会で宣言している。
ところがそんな中、22年11月30日に開催された総務省情報通信審議会の「新世代モバイル通信システム委員会 技術検討作業班」で、700MHz帯の挟帯域を携帯電話の4G用周波数として利用してはどうかとドコモが提言。これを受け、活用の技術的条件について検討を開始することとなった。検討結果は今春、取りまとめられる予定で、この件について楽天モバイルは歓迎の意を示している。
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