「CX戦略」でNGなことはなにか デジタル化の前に整理すべきポイント:自分の頭で考える(1/5 ページ)
成功パターンはさまざまなものがあるが、失敗パターンにはある共通項が存在する。失敗するパターンの共通項は、一言で表現すると「自分の頭で考えない」ケース。「自分の頭で考えない」というのはどういうことかというと……。
(1)はやりのツールに飛び込む前に整理すべきこと
コンタクトセンターのAI活用が本格的に開始したのは、2016年、IBMのWatson日本語版が誕生したころです。販売が開始されて約6年、コンタクトセンターでのAI活用の挑戦は、成功も失敗も含めて非常に多くの結果を生んできました。
私もコンタクトセンター向けにAIをベースとしたSaaS企業を立ち上げていく中で、多くの失敗経験を積んできた1人です。
そこで今回、皆様には同じ轍を踏まないために「転ばぬ先の杖になる記事」を書きたいと思います。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(心形刀流・松浦静山)と言われるように、成功パターンはさまざまなものがありますが、失敗パターンにはある共通項が存在します。
その失敗するパターンの共通項は、一言で表現すると「自分の頭で考えない」ケースです。
「自分の頭で考えない」というのはどういうことか?
事業会社の場合、「他社事例をそのままなぞる」「ソリューションベンダーの言われるがままにツールを導入する」というようなケースを指します。モノマネでうまくいくなら、多くの企業がこれほどCX(カスタマーエクスペリエンス)戦略に苦労していません。「他社はどうなっているの?」ではなく、まずは「自社の顧客」の解像度をあげましょう。
「どんな顧客から」「どのようなタイミングで」「どんな問い合わせが」「どれくらい寄せられているのか」――。顧客を主語にし、そこで起きているボトルネックがデジタルツールの提供で排除可能かという順番で考えます。この工程を経ないプロジェクトはほぼ失敗すると思います
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