「ゾンビ企業」18.8万社、2年連続で増加:帝国データバンク調べ(1/2 ページ)
帝国データバンクは、「ゾンビ企業」の現状分析を実施した。推定される全国のゾンビ企業数は約18.8万社で、2022年11月のゾンビ企業率は12.9%。2年連続で上昇した。
帝国データバンクは、「ゾンビ企業」の現状分析を実施した。2022年11月時点で判明している21年度(21年4月期〜22年3月期)のゾンビ企業率は12.9%と2年連続で上昇し、推定される全国のゾンビ企業数は約18.8万社に達した。
「ゾンビ企業」とは?
ゾンビ企業とは、国際決済銀行が定義した、3年以上にわたって「インタレスト・カバレッジ・レシオ(利払い負担に対する利益の比率)」(以下ICR)が1未満にある企業のことをいう。
ICRは会社の借入金の利息の支払い能力を測るための指標で、1未満とは利益より利払いのほうが大きく、借金の支払い能力が乏しいことになる。ゾンビ企業率は、「3年連続でICRが1未満、かつ設立10年以上」の企業数を「3年連続でICRが判明、かつ設立10年以上」の企業数で割ったものである。
帝国データバンクが保有する企業財務データベース「COSMOS1」によると、 「3年連続でICRが1未満、かつ設立10年以上」の企業数は9万4885社、そのうち「3年連続でICRが判明、かつ設立10年以上」の企業は1万2256社で、ゾンビ企業率は12.9%となり20年度と比較すると1.5ポイント上昇した。
今回の調査で、全企業のおよそ1割強がゾンビ企業に該当することが分かった。帝国データバンクの「全国財務諸表分析統計」によると、国内企業の売上高経常利益率、借入金平均金利、ICRなどの財務指標は、アベノミクスと金融緩和によって2010年代前半に大幅に改善したため、2010年代後半にゾンビ企業率が10%前後で低位安定した要因となった。しかし2020年度以降はコロナ禍での業績悪化と過剰債務が影響し、ゾンビ企業率は上昇している。
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