「ゾンビ企業」18.8万社、2年連続で増加:帝国データバンク調べ(2/2 ページ)
帝国データバンクは、「ゾンビ企業」の現状分析を実施した。推定される全国のゾンビ企業数は約18.8万社で、2022年11月のゾンビ企業率は12.9%。2年連続で上昇した。
業種別にみると?
ゾンビ企業と推定される18.8万社を業種別にみると、最も多かった業種は「建設業」(約6万2600社、構成比 33.3%)、次いで「製造業」(約3万9600社、同21.1%)、「卸売業」(約3万4400社、同18.3%)であった。
売上規模別では、最多だったのは「売上高1〜5億円未満」(約8万3500社、構成比44.4%)で、売上高5億円未満の中小・零細企業合わせて約12万8200社となり、全体の7割近くを占めた。
地域別では、最多は「関東」(約4万9400社、構成比26.3%)、次いで「近畿」(約3万800社、同16.4%)、「中部」(約2万8500社、同15.2%)と、三大都市圏で6割近くを占めていた。
企業全体でコロナ関連融資を「現在借りている・借りた」と答えた企業は、 全体で50.5%と約半数であった。また対象をゾンビ企業に絞ると割合は76.3%となり、25ポイント以上上回った。
またコロナ関連融資を「現在借りている」と答えた企業に対し、今後の返済見通しを聞いたところ、「返済に不安」がある企業は調査全体で12.2%であった。さらに対象をゾンビ企業に絞ると、その割合は20.5%にも達した。
帝国データバンクは、「ゾンビ企業数の増加は、コロナ禍で収益、財務内容の悪化した企業がコロナ関連融資によって延命されていることが要因だろう。行政や金融機関はそれぞれの中身や将来性をしっかり見極め、正常化へ向けたサポートを行っていくことが重要となる」と分析した。
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