本社前にUFOが墜落!? 埼玉のスーパー「ベルク」がユニークすぎるキャンペーンを連発する理由:SNSで話題(2/4 ページ)
「霊視体験にご招待」「バレンタインデーなのにおみそ汁を振る舞います」「本社前にUFOが墜落」――こうした一風変わった取り組みで注目を集めているスーパーがある。埼玉県を拠点にスーパーを展開するベルク(埼玉県鶴ヶ島市)だ。
トップダウンでユニークな企画を実行
とはいえ、これまで買い物といえばコンビニが多いZ世代に、いきなりスーパーで買い物をしてもらおうと考えるのはハードルが高い。まずは、ベルクというスーパーの存在を知ってもらうことが必要だった。ベルクの知名度を上げるために、これまでスーパーでやったことのない面白い企画はないか。そこで思い付いたのが、霊能力者のイベントだった。
このイベントは、2020年8〜9月にかけてベルク全店舗で3000円以上購入したレシート画像を送れば、生霊が見える芸人による霊視体験に抽選で招待するというもの。「霊視体験という内容はあまりに奇抜過ぎましたが、トップダウンだったため実行できました」(原島社長)。このイベントのターゲットは占い好きの女性であり、スーパーの主な客層とも合致。予想を上回る多くの応募者が集まり、イベントは成功した。
ユニークな企業コラボがSNSで話題に
21年8月には「日清焼そばU.F.O.」が45周年を迎えることから、ベルクの本社にU.F.O.が飛来した設定でオブジェを制作。本社前にU.F.O.が墜落したように見える様子が、そのインパクトの大きさからSNSで拡散され話題になった。
また、新聞社と協力して「本物のU.F.Oが現れた」という号外を作成。特設のU.F.O売り場に設置したり、配布したりしたところ、3万1000万部が数日でなくなり、その期間の売り上げは180%伸長したという。
こうしたイベントで気付かされたのが、SNSでの反響の大きさと拡散力だ。「これまでスーパーの販促と言えば折り込みチラシが定番でした。しかし、折り込みチラシは配ることができる範囲も決まっていますし、どれほど購買につながったのかなどの効果も分かりません。SNSならば反響や感想をリアルタイムで見ることができ、拡散力も圧倒的に大きい。SNSでつぶやきたくなるような企画をやれば、Z世代に届くのではないかと考えました」(原島社長)
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