無人店舗で「化粧品のサンプル」を配ったらどうなったのか 東急百貨店で試した:予想以上の行列(2/5 ページ)
東急百貨店は、日立製作所が開発した無人小型店舗サービス「CO-URIBA」(コウリバ)を使った実証実験を渋谷の3店舗で展開した。同店舗では顔認証決済に加え、利用者の行動履歴の収集もできる。商品を購入した顧客に対し、コウリバでサンプルを配布したところ……?
狙いは、渋谷3店舗間の送客・相互利用
日立の最先端技術を結集させたコウリバは、約3メートル四方の省スペースに設置でき、設置後の移動もしやすい優位性を持つ。顔認証による手ぶら決済が可能で、購入者の属性や購入商品、時間帯などに加え、商品前でしばらく足を止めた、一度手に取ったものの購入に至らなかったといった行動履歴を多角的に取得できる。
東急では、このコウリバを使って自社が運営する東急百貨店本店、 渋谷ヒカリエ ShinQs(シンクス、渋谷ヒカリエのショッピングエリア 5階〜地下3階)、+Q(プラスク)ビューティー(渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン6階) の3店舗で、4000円以上の商品・サービスを購入した顧客に対して、サンプルを配布する取り組みを実施した。
「この実験の主な目的は、東急百貨店本店のリテンション(既存顧客との関係維持)と3店舗間の送客です。そのため、それぞれの店舗に置くサンプルは、その店舗では扱っていないブランドとしました。つまり、普段購入しないブランドに慣れ親しんでいただくことで、その他の運営店舗にも足を運ぶきっかけにしたいと」(吉田氏)
顧客は、コウリバにある縦長のサイネージでLINEアカウントに表示されたQRコードをかざすことで入店でき、好きなサンプルを自身で選ぶ。その際、手にとったアイテムの情報が、リアルタイムで頭上のサイネージに表示される。
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