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「餃子の王将」はなぜ絶好調なのか 「日高屋」「幸楽苑」より早く回復、ヒット商品続々のワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
「餃子の王将」が絶好調だ。コロナ禍の影響は受けたが、「日高屋」「幸楽苑」より早く回復している。背景には何があるのか。
直営店が増加
餃子の王将は1967年に京都市の四条大宮に1号店を出店して以来、発展を続けている中華チェーン。全国に2022年12月末時点で、直営店540店、FC店190店の計730店となっている。
コロナ禍前の20年1月末の時点では、直営店518店、FC店213店の計731店だった。
店舗数は1店が減っただけで、ほとんど変わっていない。その代わり、直営店が増え、FC店が減っている。
全般に、古くからのFCオーナーが高齢で後継者がなく、辞めていく一方で、直営店を出店して店舗がなくなった隙間を埋めているようである。
閉店した店で代表的なのは、20年10月31日に閉店した出町店(京都市)がある。学生が30分皿洗いをすれば食事が無料になる名物店であったが、店主が高齢で後継者も見つからずに閉店。餃子の王将FCオーナーには体力面などを考慮した定年制があり、70歳が目途となっている。
コロナ禍で店内で飲食する人が減り、年齢的にも気持ちの張りをなくしてしまい「潮時だ」と感じたFCオーナーも多かったようだ。
後述するが、餃子チェーンの新興勢力もあり、新しくFCを始めるオーナーは、「同じ餃子を扱うなら……」と勢いのあるほうに流れている可能性もある。
直営で最新の設備が整った新しい店を出し、若い店長が頑張ってチェーンの活力となっている。それが、餃子の王将が好調な要因の1つ。他方、個性豊かなFCオーナーが減っているのが、課題となっているといえるのではないだろうか。
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