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「DXバブル」「エリート学生に人気」で急拡大 コンサル業界に立ちふさがる“由々しき問題”とは:ビジネスモデルを分析(2/3 ページ)
コンサル業界がDXバブルで規模を拡大している。今後、さらなる成長をするには何が必要なのか。筆者は一方で見落としてはいけない“由々しき問題”があると指摘する。
どう成長していくのか
総合ファームの組織構造は次の図にあるようなマトリクス型組織を基本としています。
業種の専門性を保持したコンサルタントと各テーマの専門家が連携してクライアントの課題解決にあたる体制です。日本で規模の大きい産業と課題(テーマ)がそのまま組織になっているような構図です。今後、さらなる成長を目指すにあたっては、ターゲット業種をもっと細分化して広げていくか、顧客規模を少し下げ新規顧客を開拓するか、Web3のような新規テーマを立ち上げるか、さまざまな選択肢を求められます。
コンサル業界が成長を目指す動きの中で論点となるのが下記4点となります。
(1)事業ドメインをIT開発や広告、BPOなど請負型の領域へ拡充していくか否か
(2)他のコンサル会社の主戦場へ参入するか否か(戦略系がデジタルへ、マーケティング系がITやBPRへなど)
(3)自社独自のサービスを開発するか否か(クライアントからの受託ではなく自社プラットフォームの方向性)
(4)大きな規模拡大を目指さず、徹底的品質重視にて強固な経営基盤を構築することを優先するか
これらは次の図にある通り、コンサル会社にとっての戦略の方向性をどう選択するかということにつながります。(2)と(4)にあたるコンサルティング以外のビジネスで収益を得る方向にはリスクも生じます。
請負型のビジネスには納品したシステムや広告のトラブル、訴訟リスクなどがついてまわります。
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