なぜ、寝台列車みたいな格安ルームを? JR東グループが無人「スマートホテル」を開業した背景:新ブランド立ち上げ(3/4 ページ)
JR東日本グループの仙台ターミナルビルが、「ホテルB4Tいわき」をオープンした。テクノロジーを活用して、低コストでの運用を実現。「時間を無駄にしたくない」「料金を抑えたい」に対応する。
シングルとカプセルの中間
同ホテルにはシングル、ツイン、ユニバーサル、デラックスツインの他に、ちょっと変わったタイプの客室がある。部屋の面積が5.5平米の「キャビンタイプ」(定員1人)だ。全部で96室あり、料金は3800円〜となっている。客室数が最も多いのがシングルの113室。キャビンタイプは2番目に多く、ツイン(15室)、ユニバーサル(2室)、デラックスツイン(1室)と続く。
キャビンタイプの設備は、ちょっとした作業ができるデスクとチェア、貴重品ボックス、デスクライト、500ミリリットルのペットボトルが3本程度入る薄型冷蔵庫、コンセント、常備灯、ベッド、ミラー、USBポート・Wi-Fi(無線)、ハンガーなどだ。また、バスタオル、フェースタオル、ナイトウェア、スリッパ、アメニティーバッグ、歯磨きセットも用意している。デスクの横にあるハシゴを上ってベッドスペースに移動する部屋もあり、寝台列車のような雰囲気がある。
部屋の入口はカーテンで仕切られている。また、ベッドのあるスペースにもカーテンがついている。部屋の入口のカーテンにはカギはついていない。フロントに宿泊者専用のロッカールームがあり、そこに荷物を預けることも可能だ。
このキャビンタイプの客室はホテルの4階にある。4階は5つのエリアに分かれており、それぞれのエリアに入るためにはカードキーが必要だ。女性専用のエリアもある。武内氏によると、4階のエリアだけは簡易宿泊施設(カプセルホテルなど)という位置付けだ。
部屋の中での飲食は原則禁止としている(ちょっとした水分補給は問題ない)。食事やさまざまな作業ができるスペースとして、専用ラウンジを別途用意しており、共用のシャワーブースやトイレもある。
武内氏はキャビンタイプの部屋を「シングルとカプセルの中間的なもの」と説明する。同ホテルを計画した段階では、主に安く宿泊したい海外からの旅行客の利用を想定していたという。現在はコロナ禍の影響でインバウンド需要がかなり減少してしまっているが、当面は「(バックパッカーのような)旅に慣れている人などに使ってもらいたい」(武内氏)としている。
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