ロフトで"耳たぶ温めグッズ"爆売れの謎 現代人の「眠りの悩み」反映:バイヤーに聞いた(2/2 ページ)
睡眠の時間と質への関心は高まっている。小売業各社はさまざまな「快眠グッズ」を展開している。世の中では、どんな快眠グッズが売れているのか。ロフトの、バイヤー担当者に取材した。
快眠グッズ全体の人気も増している
また、就寝中にかぶる帽子の「ナイトキャップ」も売れ筋だ。髪は寝返りや長時間寝具に触れることで、摩擦の影響でダメージを受けてしまう。
ナイトキャップはそうしたダメージから防いでくれるほか、保湿効果もあるため、就寝中のヘアケアアイテムとしても女性を中心に人気が高まっているようだ。
同社では取り扱い商品を徐々に増やしており、プライベートブランドも展開している。同社の「シルキーナイト エステキャップ」の全店舗の販売数は、21年は年間で1600個だったところから、22年は年間で1万2300個(前年比770%)と、著しく販売数を伸ばしている。
上記商品を含めた「快眠グッズ」全体の売り上げも増加しており、前年比で130.0%、コロナ禍前である19年比で159.9%だということだ。
なぜ、ここまで快眠グッズが売れているのだろうか?
ロフトが扱う快眠グッズは、美容との関連の深さからか、主に女性をターゲットにしているものが多い。これも結果として追い風になっているようで、「コロナ禍で“おうち美容”がブームになり、寝ている間のケアが当たり前になったことで、売り場での訴求もしやすくなった」と担当者は説明する。
一方で耳を温めるグッズについては、男女問わず幅広い層から購入されているという。
こうした客層の広がりについて担当者は、「コロナ以前から快眠に対するユーザーの関心はあったが、コロナ以後はさらにその傾向が増した。『睡眠負債』(編集部注:慢性的な睡眠不足の蓄積による、心身への支障をきたしている状態)という言葉もよく聞かれるようになったと感じている。ライフスタイルが変化し、男女・世代を問わず睡眠に悩みを持つ人が多くなったことで、(耳を温める商品のような)新しい切り口の商品が注目を集めたのではないか」と見解を述べた。
良い睡眠をとるためのアプローチはさまざまだが、まずは手に取りやすい商品から試してみるのはいかがだろうか。
関連記事
- 「580円の朝焼肉」誰が食べている? 焼肉ライクが開店を“4時間”早めてまで始めたワケ
焼肉ライクは「朝焼肉セット」という朝食メニューを2020年8月から展開している。コロナ禍で時短営業を余儀なくされ、「朝の時間帯」に活路を見出したのがきっかけ。今はどのように利用されているのか取材した。 - なか卯が今でも「250円の朝食」を提供している理由 ライバルは牛丼チェーンではなかった
なか卯は、業界でも屈指のリーズナブルな朝食メニューを提供している。物価高騰が叫ばれる中で、なぜ低価格を維持しているのか。その理由を担当者に聞いた。 - 人口815人の村を「AR貞子」が救う? 奈良県・下北山村がだいぶ思い切ったコラボを決めたワケ
奈良県、下北山村が「貞子」とコラボした企画が盛り上がっている。ARをつかった観光アプリを開発し、貞子が村内の名所から出現するという企画だ。下北山村はなぜ貞子とのコラボを決めたのか、担当者に聞いた。 - 春節始まるも、中国人観光客が「日本」ではなく「タイ」に流れるやむを得ない事情
1月21日から春節に合わせた大型連休が始まった。しかし日本の観光地では中国人観光客の姿はあまり戻っていない。一方タイでは多くの中国人旅行客が訪れている。それはなぜか。 - 「女子小学生も飲む」 マック、3年ぶりコーヒー刷新の背景にある「カフェ需要」
マクドナルドが「プレミアムローストコーヒー」を全面リニューアルした。コロナ後回復しつつあるカフェ市場で、存在感を強める狙いだ。「本気カフェ宣言」掲げる、マクドナルドの戦略ビジョンについて聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.