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なぜ私鉄で「一部有料座席」が増えているのか? 「座りたい」ニーズをつかむ各社の工夫:関東と関西で違いも(2/4 ページ)
鉄道各社では近年、「有料座席指定車両」の導入が相次いでいる。特に、列車編成の一部のみを有料座席指定車両にするケースが多い。その理由に、鉄道各社の工夫が見える。
列車の一部のみを有料座席にするケースも
このように「追加料金を支払えば着席できる」というサービスは、通勤時間帯に座りたいという人のニーズをとらえ、関東圏では多くの鉄道会社でサービスを競っている。
上記のほか、既存の特急列車も通勤客を意識し、通勤時間帯の増発や、停車駅の増加など、「座りたい」利用者の需要に応えるために努めている。
だがこういったやり方ができるのは、ダイヤに時間的余裕がある場合に限る。
そこで、「編成の一部」を座席指定車両にするパターンも生まれている。関東では東急電鉄の「Q SEAT」がその一例だ。これは、大井町線から直通する列車の一部に座席指定車両を設定している。
このQ SEATが好評だからか、23年度には東急東横線にも導入することになり、すでに車両は連結されるようになっている。
東急電鉄で一部座席指定列車を導入する背景には、列車の本数を増やせるほどダイヤには余裕がないが、その一方で東急沿線住民からの要望が高い、着席サービスを提供するという意図がある。
また京急電鉄では、土休日に「ウィング・シート」という、クロスシートである快特列車の1両を座席指定列車として運行している。
このように、関東では通勤電車の座席をロング・クロス転換にするか、あるいはもともとクロスシートの車両を一部座席指定車両として使用することで、着席サービスを提供するやり方が多い。では、関西の事情はどうなのか?
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