お客さまが“イライラ”してからでは遅い 海外で注目の「プロアクティブエンゲージメント」:3つのステップを紹介(4/4 ページ)
海外で注目されている「プロアクティブエンゲージメント」をご存じだろうか。簡単に言えば「企業がお客のニーズを予測して、問題が発生する前に対応すること」。実現するためには、3つのステップが必要で……。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 「企業がお客さまのニーズを予測し、問題が発生する前に利便性の高い顧客体験を進んで提供する戦略」であるプロアクティブエンゲージメントの概要、「なぜ今必要とされているのか」の背景、そして国内外の事例を紹介させていただきました。日本国内では、まだ「セルフサービスの構築」の段階で、プロアクティブサポートに取り組むための土台づくりのフェーズと考えています。
今回失敗例はお伝えしませんでしたが、FAQやチャットボットもやみくもにコンテンツを作るとお客さまが「検索する」」「解決できるチャネルを探す」手間を増やすケースがあります。それを回避するために、プロアクティブサポートの「必要なお客さまに必要なタイミングで必要な量だけ届ける仕組み」をセルフサービスに実装することで、FAQやチャットボットの応対満足度が10%以上向上した、利用率が5倍向上したケースが頻出しています。
こうした事例は完全なプロアクティブエンゲージメントを体現したものではないかもしれませんが、プロアクティブエンゲージメントの考え方を、セルフサービス構築に取り入れる有用性を証明しています。
今後は国内でも、企業のカスタマーサポート部門が、お客さまにプロアクティブに情報を発信していく実例が増えていくことを楽しみにしたいと思います。
著者プロフィール:小田 志門(おだ・しもん)
カラクリ株式会社 代表取締役CEO
1980年、京都府生まれ。関西大学卒業後、2003年にネットパトロール・カスタマーサポート事業を展開するイー・ガーディアン株式会社の創業メンバーとして入社。国内外の運用センターの立ち上げ・支援を経験。たった3人だった会社を、役員として従業員1000人規模の東証一部上場企業に成長させる。16年にチャットボットの可能性を感じ、17年10月にカスタマーサポートDXを手がけるカラクリ株式会社のCEOに就任。
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