「従業員を監視する」だけでいいのか シャドーIT問題に向き合う仕組み:組織を変える(2/4 ページ)
リモートワークを導入する企業が急増したが、その一方で「シャドーIT」という問題にも向き合っていかなければいけない。会社が許可していないデバイスを、従業員が使わないようにするにはどうすればいいのか。
緊急時を視野に入れたリモートワーク体制づくりを
先述のように、コロナ禍でリモートワークを導入した企業は多いが、新しい働き方の浸透目的のためだけに導入するのではなく、緊急時にも機能するような事業体制を平時から整えておくことが重要である。それと同時に、社員が目の届かないところで業務をすることにより発生するシャドーITの課題に向き合うことも大切だ。
緊急時にも事業継続できる体制づくりの流れ
(1)業務の可視化
生産性が低下する原因として、「目的が見えない」「誰が何をすべきかが明らかになっていない」ことが挙げられる。これらが明確になっていなければ、業務で必要以上に時間がかかってしまう。このような原因を解消するために、まずは業務を可視化して、従業員全員の目線を合わせることが重要だ。
(2)ワークシェアリングの浸透
業務の可視化ができたら、それらをチームでシェアし、メンバーそれぞれの役割を明確化する。ワークシェアリングの体制を取っていれば、チームメンバーに何かあった際にも他のメンバーがフォローできる。つまり、緊急時の業務遅延や停滞のリスクを減らすことにつながる。
それだけではなく、孤独を感じやすいリモートワーク環境では、仲間の存在が感じられるチームシェアリング体制が、メンバーそれぞれに安心感を与えることができる。それは組織の安定感にもつながっていくだろう。
また、ワークシェアリングは、リスク対策としてもメリットになる。チームで業務を共有することで「これは使ってはいけないツールだ」などとメンバー間で注意喚起できるからだ
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