イオン、パート「7%賃上げ」の衝撃! 「レジ打ち」が減った職場で起きる大変革とは:大手が続々時給UP(4/4 ページ)
イオングループが自社のパート40万人の時給を7%引き上げると発表。イオンでも働き方が大きく変わり、他業界にも大きな影響がある。
中小企業の賃上げは心もとない状況
イオンなどの大手企業のように中小企業では簡単に賃上げはできない――そんな声も聞こえてきます。
全国の中小企業2300社を対象に商工中金が22年11〜12月に調査した「中小企業の賃上げの動向」によれば、定例給与・時給の平均引き上げ率は、21年は1.31%でしたが、22年には1.95%、23年も1.98%というように、約2%程度の賃上げになりそうです。
大手が最低でも5%の賃上げを打ち出しているのに対し、世の中の大多数を占める中小企業の賃上げ熱はまだ低い状況です。実際にコロナ融資の返済が始まり資金繰りに苦労する企業や、思うようにコロナ前の業績に戻っていない地方の中小企業が多いのが現実だからです。
だからといって中小企業の賃上げが2%程度になれば、大企業との賃金格差がさらに広がるだけでなく、物価上昇ペースを下回ることになり、実質的な賃下げと見られかねません。
企業としては、売り上げを上げるためにも、思い切った賃上げを実施する。もしくは、目標とする数字を達成したら従業員への還元を約束するなどして、人材への投資を本格化させる必要があります。
人的資本経営元年でもある23年。賃上げが全てではありませんが、いかに人への投資ができるかどうかが魅力的な企業づくりのカギとなります。
人材採用がますます困難となる23年は、会社にとっても従業員にとってもプラスとなるような人的資本投資を経営者には考えてほしいと思います。賃上げは、中でも一番分かりやすい人的投資なのです。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。
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