「ランドセルは義務?」「重すぎる!」 新型の通学バッグが次々と登場する背景:軽さと機能性(2/5 ページ)
小学生向けに、ナイロンやポリエステル製の新型通学バッグを開発する動きが強まっている。各企業にその狙いや購入している層のニーズを聞いた。
子ども服大手が参入
子ども服大手のファミリア(神戸市)は22年9月、ランドセルの新型モデル「air ran.(エアラン)」の受注販売を開始した(引き渡し時期は23年2末〜3月上旬)。また、3月1日からエアラン第2弾の受注を開始する。
エアランの重さは約890グラムで、価格は6万9300円。本体には軽くて丈夫なはっ水生地である軽量ナイロンを使用。かぶせが人工皮革となっている。背あて・肩ベルトの内部にはクッション性のあるウレタンを使用しており、背中、腰、肩への負担が軽減されるようにした。
同社ではもともと通常のランドセルを扱っており、年間約1000個を販売していた。昨今、小学生の荷物が重くなっているという点が問題視されていることを背景に、「子ども向けグッズをつくっている企業として、新しいランドセルを開発した」(担当者)としている。
周囲と違うランドセルを背負って登校することを気にする保護者がいることを念頭に、見た目をランドセルに近くしたのが特徴。そのため、全ての素材をナイロンにしておらず、かぶせ部分が人工皮革となっている。
ラン活のピークはゴールデンウイークやお盆とされている。祖父母世代が孫のために購入することが多く、帰省のタイミングで商品を検討するためだ。
同社ではラン活のピークからやや遅れたタイミングで第1弾を発表したが、「9月にしては思った以上に受注があった」(担当者)としている。購入層を分析すると、全体の58%が30代で、38%が40代だったという。つまり、全体の約8割が30〜40代となっており、通常のランドセルを購入する層と比べるとやや若い傾向が見られた。
ファミリアでは牛革や人工皮革のランドセルを扱っていることもあり、エアランは顧客に提示する選択肢の一つという位置付けだ。
担当者によると、ファミリアブランドにはリピーターが多いのが特徴だが、エアランを販売したことで同社の認知度向上という効果もあったそうだ。これまでブランドのことを知らなかった人が新型ランドセルを探す中で、たまたまWebサイトに行きついたといったことが背景にある。
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