「注射針」捨てる不届き者も! JR東がごみ問題解決のため新型“ボックス”を設置した狙い:駅で実証実験(2/2 ページ)
JR東日本が「リサイクルステーション」の実証実験を実施している。駅構内で排出される廃棄物を減らしつつ、再資源化を推進する。背景には、駅構内のごみ問題もあるという。
実証実験の狙いは?
今回の実証実験の狙いについて担当者は、「駅や列車では、利用する際に弁当や飲み物のごみがでてきてしまうが、しっかりと分けることで資源として再利用ができるものが多く混ざっている。その中でも、従来ごみ箱単位で分別ができていなかった『ペットボトル』と『プラスチック』を新たに分けることで、資源化できる機会を増やしたい」と説明する。
ペットボトルは、ペットtoペットの取組みにより、従来より少ない資源で新しいサントリーグループの飲料製品に生まれ変わる。また、プラスチックはRPF化(固形燃料化)することで、そこから水素を取り出すことが可能であり、新たな燃料に生まれ変わるという。
利用者のマナーは向上した?
今回、実証実験をする背景には、駅のごみ箱を利用する人のマナー問題もある。
担当者によると、家庭や街で出たと思われるごみが捨てられている状況があるという。駅構内の店舗などからは出ないはずのDVD、服、革靴など、中間処理施設での分別に労力が伴うごみにはとても苦労させられている。注射針などが混入することもあり、危険なケースも目立つ。
そうしたものがほぼ毎日回収しているごみに混入している状況で、清掃員や中間処理施設の負担につながっている。特に混入がひどいごみ箱では、周囲に注意喚起の掲示を行っているが、効果が薄いのが課題だという。
では、リサイクルステーションはどうか。担当者は「通常のごみ箱と比べて分別できる種類が多いため単純比較はできないが、分かりやすいアイコンや文字などを表示しているので、特にペットボトルとそのラベルなどはしっかりと分けていただいている」と説明する。「リサイクル」や「分別」といった呼びかけをすることで、利用者のマナー向上にある程度効果はありそうだ。
リサイクルステーションの実証実験はいつまで続けるのか。担当者によると、川崎駅を除き、来年度以降も検証を進める予定だという。設置場所は今回の実証実験の結果を踏まえて検討するとしている。
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