「粗大ごみ収集」受付の3割がLINE なぜ福岡市は進んでいるのか:事例に学ぶ自治体DX(4/4 ページ)
自治体のDX導入が進み始めているが、まだまだのところも多い。そうした中で、福岡市はなぜ先進的なのか。その秘密を探っていくと……。
DX推進のカギはセキュリティ×コスト×スピード
自治体のDX推進を成功させるためにもう一つ重要なのが、セキュリティ×コスト×スピードのバランスだ。特に行政系のシステムは、セキュリティレベルを高く保たなければいけないという状況を理解した上でも、バランスが守り(セキュリティ)に偏りすぎて、スピードとコストに対する優先順位が低すぎる傾向がある。
これらは国民性によるところが大きいのかもしれない。例えば中国でも行政系サービスのデジタル化が進んでいるが、不具合が出たとしても「改善すればいい」という考えで進めていることが多く、そのぶんスピード感がある。
日本で同様の事態が起これば大問題だ。守りの姿勢が行政・自治体のIT化を遅らせている要因の一つであれば、このバランスを見直さない限りは、日本はIT先進国から遅れをとった状態であり続けるだろう。
東京都や福岡市のように外部人材を中に入れ、日本の強みである信頼性を保ちながらスピード感を持ってDX推進していく。これがモデルケースとなり、各自治体がそれに習うことで、エストニアやイスラエルのように、日本全体をグローバル水準まで引き上げることができるのではないかと期待している。
著者プロフィール:波戸崎 駿
Yoom株式会社 代表取締役
同志社大学商学部卒、株式会社じげんに2013年新卒入社。
事業開発、マーケティング、セールスを経験後、基幹事業である求人事業部門の事業責任者に就任。2019年1月に株式会社TimeTechnologiesを創業。22年に株式会社ブレインパッドへTimeTechnologies社の株式を譲渡した後、Yoom株式会社を創業。業務自動化するSaaS連携データベース「Yoom」を提供。
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