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「スパム串」が首都圏でヒット 一方、沖縄では?:串に刺して焼いただけ(2/3 ページ)
沖縄が全国一の消費量を誇るポーク缶詰。そのポークを串に刺して焼いただけの「スパム串」が、関東のイベント会場で飛ぶように売れている。一方、ご当地の沖縄では……。
ビールにぴったりで「爆売れ」
串に刺して焼くだけなら、コストもかからない。上里さんは、試しに1本300円で売ってみた。そして、意外な売れ行きに目を見張った。
よく見ると、オリオンビールと一緒に買い求める客が多い。ひとりで3本も食べる男性客もけっこういる。「炎天下の屋外では濃い味付けが、ビールのお供として最適のようだ」。上里さんは商機と見た。
翌年5月、神奈川県川崎市で開かれた首都圏最大級の沖縄イベント「はいさいフェスタ」。上里さんは、スパム串をメインにした大きな看板を用意し、満を持して屋台を出した。
まさに「爆売れ」(上里さん)。行列は途絶えることがなく、焼いても焼いても注文に追いつかない。ポーク缶もすぐに底をついてしまった。沖縄から遊びに来てくれた同級生にも屋台を手伝ってもらい、上里さんはポーク缶を探して神奈川県内のスーパーを駆け回った。
大量になると、ポーク缶を開けるのにも苦労する。ポーク缶は、缶上部についている爪に、付属の細い鍵棒を引っかけて、くるくると回しながら、缶の一部を帯状にめくり取って開ける。こつと集中力がいる作業。ひと缶ならいいが、注文をさばくため、次々と開けないといけない。交代で開けているアルバイトと同級生が「腕が痛い」と悲鳴を上げるそばから、注文はおかまいなしに入ってくる。
結局、初日に売り上げたスパム串は1千本を超え、使ったスパム缶は500缶に上った。
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