「語学」「時事ニュース」が人気? 博報堂が約200の研修を提供し、見えてきたこと:DXだけではない(1/3 ページ)
昨今注目を集める「リスキリング」。「DX」についての学習というイメージが強いが、博報堂ではより幅広い分野のコンテンツを提供。200ものコンテンツを用意している狙いとは?
昨今「リスキリング」というワードをよく耳にする。リスキリングとは「学び直し」「スキルの再取得」を意味し、2022年10月に岸田政権が「リスキリングの支援に5年で1兆円を投じる」と表明したことで注目が高まっている。
リスキリングと聞くと、「DX」「デジタル」についての学習というイメージが強いが、博報堂では「語学」「ビジネススキル」「経営」「マーケティング」など幅広い分野で、約200の研修コンテンツを提供。半数以上の社員が自主的に学びに励んでいる。
なぜ、200ものコンテンツを用意しているのだろうか。同社グループ能力開発グループの木村英智・グループマネージャーと佐藤由奈・マネジメントプラニングディレクターに話を聞いた。
学びの場を拡張
同社は22年4月から、全社員を対象にさまざまな学習の場や研修プログラムを提供するリスキリング支援施策を開始。社員への事前調査をもとにニーズの高かった約200種の社外研修プログラムを提供している。
デジタルマーケティングやプログラミングのほか、経営戦略やアカウンティング、マネジメントなどのコンテンツも用意。また、ビジネス基礎力となるExcel/Powerpoint、ビジネススキルに加えて、語学や時事ニュースのコンテンツもある。木村氏は「弊社が担当するビジネスに関わる領域をなるべく網羅的に用意した」と話す。
「これまでは広告コミュニケーションの領域が中心でしたが、今後は世の中の変化に合わせて扱う事業領域を拡張していきたいと考えています。それに伴い、社員がさまざまな領域の業務を担当することになります」
「リスキリングでDXについて学びたい人、経営レイヤーの部分も含めて学びたいという人、語学のおさらいをしたいという人など、広いニーズがありました。『事業領域の拡大に伴い、学びの場も拡張する』必要があると考え、変化に対応するために、豊富なコンテンツを用意しました」(木村氏)
リスキリングは「より汎用的な学び」
同社は、以前から社員のスキルアップ向上に注力してきた。05年から社内大学「博報堂大学」を運営。社員のクリエイティビティを磨くことを目的に学ぶ場を提供している。
博報堂大学での研修はほぼ内製で、講師は社員が務める。内容は新入社員の企業理解や、必要なコアスキルの研修、職種ごとの専門的な研修、キャリア支援プログラムなど。実在するケースをベースに現場に近い内容を扱い、グループディスカッションなどを行いながら、同社で働くうえで必要な実践的なスキルや知識を身に付ける。
新たに始めたリスキリング支援施策は、従来の取り組みをさらに前進させ、より汎用的な学びを提供するものだという。内製では対応しきれない幅広い学びを、計20程度の企業と協業し、提供する。
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