「語学」「時事ニュース」が人気? 博報堂が約200の研修を提供し、見えてきたこと:DXだけではない(3/3 ページ)
昨今注目を集める「リスキリング」。「DX」についての学習というイメージが強いが、博報堂ではより幅広い分野のコンテンツを提供。200ものコンテンツを用意している狙いとは?
承認→上司の許可 「働き方」「必要性」を重視
社員が社内の学び直し制度を活用する動機は大きく2つあるという。1つは「新たな知識を身に着けること」、2つ目は「業務で扱った内容の再確認・学び直し」だ。
「業務で積み上げた経験に、後から知識をインプットしていくことで、より理解を深めていく印象があります。マーケティング、Excelに関しても全然知らないというわけではなく、現場である程度の知識を有しているけれど、改めてこれを機会に学び直しをする社員も一定数いました」(佐藤氏)
研修を受講するためには、申請を上げ、上長に許可をもらう必要がある。日程や研修内容を元に、上長は「業務に必要な学びか」「業務時間との兼ね合い」などから必要性を判断する。
「上長と『将来こういう仕事をしたいから、〇〇のスキルを身に付けたい』『今の業務内容的に〇〇について学んでみるのはどうかな?』というような会話が活発化しました。企業として、学習しやすい、リスキリングしやすい雰囲気ではあると感じています」(佐藤氏)
数値目標は定めない 働き方改革との両立
今後は、さらに社内認知を高めていく姿勢だ。
「今後は、リスキリングの支援施策があるという情報が全社員に届いている状態にすることを目指していきます。忙しくて時間が取れない人、リスキリング施策を知らなかったという人もいると思います。必要な人が活用できるように、社内でのコミュニケーションの仕方をアップデートしていきたいですね」
「そこから活用するかどうかは個人の判断に委ねています。会社として『〇割の活用を目指す』などの数値目標を設けるものでもないと思います。研修を受けるか、何を学ぶかは、社員一人一人が自主的に判断してほしいです」(木村氏)
「また、働き方改革を担うチームとも協力しながら、『働き方改革を進めるためのリスキリング』についても検討していきたいですね。リスキリングで効率化につながったり、時間の圧縮につながったり、働き方を改善するための学びという側面もあると考えています」(佐藤氏)
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