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世界一“休みベタ”な日本人 「WBC休暇」がこれほどまで喝采を浴びたワケ働きやすい職場とは(3/3 ページ)

平日の午前、日本列島が歓喜にわいた。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は日本が米国を3−2で破り、2009年の第2回大会以来、14年ぶり3度目の優勝を果たした。仕事そっちのけで中継を見守った人が多かったのではないか。そんな中、試合時間に合わせて午前を休みにする「WBC休暇」を複数の企業が取り入れ、大きな話題になった。世界一“休みベタ”とされる日本人だが、企業が率先して「WBC休暇」を導入したことの意義とは何なのか。

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 有給休暇の取得状況は足元では改善傾向にあり、21年調査では支給日数20日間のうち12日間の取得となり、取得率は60%にアップ。オーストラリアやニュージーランド(いずれも50%)を上回り、最下位は免れた。


21年調査で日本の有給取得率は60%にアップ改善がみられる(エクスペディアのプレスリリースより)

 一方で、同じ21年調査で「休暇中に連絡を遮断するか」という質問に対し、43%が「遮断しない」と回答し、世界で最も多い結果となった。さらに「上司・会社が休暇取得に協力的か」との問いに「はい」と回答した人の割合は50%で、こちらも日本は世界で最も低い割合となった。


休暇中の連絡について日本は43%が「遮断しない」と回答し世界で最も多い結果になった(エクスペディアのプレスリリースより)

 有給休暇の取得状況は改善しつつも、“休みベタ”な状況はあまり変わらない様子がうかがえる。

「休んでいいよ」企業が発信する意義

 川上氏は、「“休みベタ”は勤勉さの裏返しでもあるが、過剰な勤勉さが過労につながると、心身の健康を害するのはもちろん、仕事上のパフォーマンスを下げてしまうことにもなる」と指摘。WBC休暇のように企業が「休んでいいよ」というメッセージを発信することは、「社員が安心して気持ちよく休むことにつながり、心身の健康維持や仕事のパフォーマンスにも良い影響を与える」とコメントする。

 日本代表の活躍ぶりとともに、「WBC休暇」が一躍話題になった背景には、こうした日本人の“休みベタ”な一面が影響している側面もありそうだ。

 川上氏は「すべての社員がWBCに興味があるわけではなく、休みたい事情は人それぞれ」だとし、「誰もが個々の事情に合わせて休みたいときに休みやすく、かつ仕事でしっかりとパフォーマンスが発揮できる職場づくりこそ、本来求められる取り組みなのだと思う」と話している。

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