テーマパーク、約4割が入場チケット値上げ 電気代引き上げでさらなる値上げの可能性も:全国190施設を調査
値上げの波はテーマパークにも及んでいる。帝国データバンクがテーマパーク190施設の入場・入館チケットの価格(3月22日時点)を調査したところ、値上げを実施しているのは70施設と、約4割に上ると分かった。
値上げの波はテーマパークにも及んでいる。帝国データバンクがテーマパーク190施設の入場・入館チケットの価格(3月22日時点)を調査したところ、値上げを実施しているのは70施設と、約4割に上ると分かった。
このうち、入場チケットを値上げしたのは62施設、入場料を据え置いたものの、別途購入が必要な乗り放題パスなどを値上げしたのは8施設だった。また、チケットの値上げは見送ったものの、駐車場代や場内でのフードやドリンクを値上げした施設も複数見られた。
価格改定の理由が判明した38施設のうち、最も多かった要因は「光熱費の上昇」(27施設)で7割を占めた。特に大規模な水族館、ジェットコースターなど遊具の稼働が多い遊園地などでは、電気代の上昇で光熱費が前年から最大で1.5〜3倍近くになっているという。
以下「えさ代・原材料の高騰」(19施設)、「物価高騰・その他」(12施設)と続いた。水族館ではえさとなる魚代、動物園では燃油代に加えて輸入肉類、乾草や固形飼料のペレット類など動物のえさ代上昇などが価格改定の理由にあげられた。
4月時点のテーマパーク入場チケットの平均価格(平日価格換算)は1739円。前年(1654円)に比べ85円上昇している。
チケットの平均価格が最も高額だったのは遊園地(2211円)で、前年から61円上昇した。一方、最も価格の上昇幅が大きかったのは水族館の1863円で、前年から128円上昇。動物園は1293円と前年比72円の上昇にとどまり、遊園地や水族館に比べて低水準だった。
同社は「コロナ禍で臨時休館や集客制限などを余儀なくされたテーマパークでは、収益力が弱まっていた中でのコスト増が大きな重荷となっている」「来館者数を増やすことで収入を上げるなど運営努力を続けているものの、今春から電気代がさらに引き上げられる予定もあり、チケット代を値上げするべきか再検討を迫られる可能性がある」と指摘している。
調査は、全国の主なテーマパーク(遊園地・動物園・水族館)190施設を対象に実施した。入場料は施設へ入場するために必須となるチケット代で、1Dayパスなどの付属を含む。
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