セブンのカップ麺、「松竹梅」戦略で売り上げ増 「蒙古タンメン中本辛旨味噌」のポジションは?:売り上げを最大化(1/2 ページ)
セブン‐イレブン・ジャパンは商品政策説明会を実施し、役員が商品の「松竹梅」戦略を語った。どういった戦略なのか?
セブン‐イレブン・ジャパンは3月29日、東京都内で商品政策説明会を開催した。この説明会では、同社の商品戦略本部長である青山誠一氏が、2023年度上期の重点施策とともに、商品の「松竹梅」戦略について解説した。
まず青山氏は、消費者心理について、より品質の良いものを求める傾向が強まっている一方で、昨今の物価高を受けて生活防衛意識(節約意識)が高まっているという認識を示した。同社は価値訴求(商品の味や品質向上)に取り組む一方で、より安い価格帯の商品も強化していく方針だ。
価値訴求については、老舗米屋「八代目儀兵衛」(京都市)が監修したこだわりのおにぎりを3月21日から発売している。また、サンドイッチで使用するパンの品質向上に取り組んでいくとした。
では、セブンにおける松竹梅にはどういったものがあるのか。基本的な考え方は、値ごろ感のある「梅」価格帯の商品をそろえることで、「松」「竹」の価値も引き立たせるということだ。
以下、いくつかの具体例で解説する。
例えば、カップラーメンでいうと、値ごろ感のある「セブンプレミアム醤油ヌードル」(149円)は梅、「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本旨辛味噌」(237円)は竹、「セブンプレミアムゴールド すみれ札幌濃厚味噌」(300円)は松という位置付けとなる。
醤油ヌードルはスタンダードなしょうゆラーメンだ。蒙古タンメン中本旨辛味噌は、激辛ラーメンの有名店「蒙古タンメン中本」の「辛旨味噌タンメン」を再現した商品で、セブンのカップラーメンとしては長らく「一番の売れ筋」ポジションをキープしている。すみれ札幌濃厚味噌は、有名店「すみれ」の濃厚な味を楽しめるようにしたみそラーメンだ。
こうした異なる価格帯の商品のバランスをとっていくことで、カップラーメン全体の売り上げを伸ばしていく戦略だ。22年12月〜23年2月におけるカップラーメンカテゴリーの売り上げが、松竹梅対応により、販売数量が前年同期比101.2%、販売金額が同107.5%になったという。
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