首都直下地震でも“待たせない” 損保ジャパン、コールセンターにAI導入 狙いは?:1月から運用開始
世界有数の災害大国・日本。損害保険ジャパンは、大規模災害時、コールセンター(事故サポートセンター)に顧客からの問い合わせが殺到したり、対応する社員が出社できなかったりといった状況を想定し、あるシステムを導入した。
世界有数の災害大国・日本。避けることのできない自然災害に対して、私たちは備えをする必要があり、これは企業活動でも同様だ。損害保険ジャパンは、大規模災害時、コールセンター(事故サポートセンター)に顧客からの問い合わせが殺到したり、対応する社員が出社できなかったりといった状況を想定し、あるシステムを導入した。
導入したのは、NTTコミュニケーションズが提供する対話型AI「COTOHA Voice DX Premium」だ。顧客が電話すると、対話型AIが請求の手続きに必要な情報(氏名・電話番号・被害状況など)をヒアリング。損保ジャパンのシステムにデータを自動投入する。1時間あたり最大で3000件の受付が可能になったという。
導入について担当者は、「当社は金融機関として、FISC安全対策基準に対応しなくてはなりません。また、NTTコムのAIのセキュリティ対策も慎重に行う必要がありました。
加えて、首都直下地震の発生時には、平時の100倍以上の連絡があると予測され、これに耐えるキャパシティーも必要がありました。セキュリティとキャパシティー、この2つを両立するアーキテクチャーの構築・運用を実現するため、非常に精緻な設計をしています」と話す。
1月の運用開始から約2カ月が経過した現在では、夜間などに連絡が急増する場面でも安定した対応体制を構築。事故連絡は最短6分、最長10分で完了する。
また、アルファベットと数字が混在して認識が難しい証券番号は、認識精度のチューニングを随時実施。聞き取り精度は約50%改善したという。導入以降、現時点では担当者は災害は発生していないが、「今後も首都直下地震のような災害に備えて精度の向上を行っていく」(担当者)という。
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