くら寿司、1皿240円「ご当地」シリーズ週替わり展開 副社長「革命的チャレンジ」:狙いは?(3/3 ページ)
くら寿司は、地元の旬の地魚を各地域の店舗で楽しめるようにする「くらの逸品シリーズ」を開始する。ご当地回転寿司の顧客を獲得していく。どうやって実現するのか。
どうやって実現するのか
くら寿司では大阪・貝塚にある加工センターに仕入れた魚を集め、加工した後に全国の店舗に配送している。この方法では、魚種や形が不ぞろいな天然魚を扱うのが難しかった。また、地魚を扱おうとしても全国販売に必要となる十分な量を確保できないという課題もあった。
今回発表した新方式では、全国約530店舗を22グループに分割する。そして、各地域の漁場で水揚げされた天然魚を最寄りの加工場でさばき、各店舗に配送する。地域の加工場で取り扱うため、物流コストの大幅ダウンにつながるという。
具体的な流れは次のようになる。毎週木曜日に販売する魚種を確定し、各グループの水産加工会社に納入。金曜日に各加工会社で加工し、土曜日の早朝に各店舗に納品するというものだ。顧客は週末に地魚を楽しむ。当面は各グループで週1回、1魚種の販売とするが、今後は週ごとの提供回数や1回当たりの魚種数を増やしていく方針だ。
この方式を実現できたベースにあるのは、全国116の漁港・漁協と直接取引をしてきたことだ。同社では2010年から産地直送の新鮮な国産天然魚を寿司ネタとして提供する「天然魚プロジェクト」を実施してきた。このプロジェクトは、おいしいネタを提供するだけでなく、漁師の収入安定化を目指したものだ。
田中副社長は、今回のシリーズを「回転寿司にまつわる、さまざまな課題解決につながる『革命的チャレンジ』」と説明した。
大手回転寿司チェーンとご当地回転寿司チェーンのいいとこどりを目指した取り組みは顧客に支持されるか。
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