くら寿司、1皿240円「ご当地」シリーズ週替わり展開 副社長「革命的チャレンジ」:狙いは?(2/3 ページ)
くら寿司は、地元の旬の地魚を各地域の店舗で楽しめるようにする「くらの逸品シリーズ」を開始する。ご当地回転寿司の顧客を獲得していく。どうやって実現するのか。
副社長が語った大手回転寿司の課題
なぜ、くら寿司はこうした新シリーズを立ち上げたのか。
同社の田中信副社長は背景に、外食や回転寿司チェーンを巡る厳しい競争環境があると説明する。
まず、原材料、光熱費、輸送費が高騰しているため、売り上げを伸ばすための新しい施策が求められていた。2年前と比べてマグロの仕入れ価格は約1.6倍、サーモンは約2倍になっているという。コスト高に対応するため、同社では創業してから初となる価格改定を2022年10月に実施した。
また、さまざまな商品が値上がりしており、消費者の節約志向が強まっている。「ホットペッパーグルメ外食総研」が2月に発表した調査結果によると、節約を意識している出費の2〜4位が食費(外食、内食、中食)となっている。また、外食費を節約するために実行していることの1位は「回数を減らす」(83.2%)だった。消費者が外食回数を減らす中で、各社は限られたパイを奪い合うようになっている。
大手回転寿司チェーンの課題として、「メニューの差別化が難しい」ことが挙げられる。大手は独自開発したスイーツ、ラーメン、有名料理人が監修した商品などを提供している。しかし、田中副社長は「ここでしか食べられないという魚が少ない」と説明する。
そこで、同社はメニューの差別化の方法として国産天然魚に着目。この分野は競合他社もそれほど着手できていないという認識だ。また、そのエリアでしか食べられない希少な魚を扱うご当地回転寿司チェーンが強みとする分野でもある。
地元の魚を扱うことで、世界的に価格が高騰している魚への依存比率を下げる狙いもある。
田中副社長は「双方のカテゴリーから顧客獲得を目指す『二刀流回転寿司』を目指す」と意気込んだ。
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