オーブンレンジ「EVERINO」が好調 象印マホービン、なぜ17年ぶりに投入したのか:あの会社のこの商品(2/6 ページ)
象印マホービンがオーブンレンジを発売し、レンジ市場に参入した。なぜ競争の厳しいレンジ市場に参入したのか? 参入背景などを企画担当者に聞いた。
象印にはレンジを扱っているイメージがある
象印マホービンにとってレンジの発売は17年ぶり。以前は単機能の電子レンジなどを扱っていた。
EVERINOの企画を担当した商品企画部企画グループ グループ長の稗田(ひえだ)雅則氏によれば、同社がレンジを開発・販売していたことを覚えている人は社内でもわずか。当時携わっていた人は、もう社内に残っていない。とはいえレンジに参入したのは古かったようで、社内には1988年に年間10万台の電子レンジを販売したという記録が残っている。
同社はレンジ撤退後も再参入の機会をうかがっており、EVERINO発売の7年ほど前から新しいレンジを構想。必要とされるであろう技術を先行して開発することにした。
大きく動き始めたのは20年11月。社内にレンジ開発組織として技術開発室を新設した。それまでは調理家電を担当する事業部で細々と技術開発を行っていたが、商品化に向けて大きく舵(かじ)を切ることにした。稗田氏もこのタイミングでEVERINOの企画を担当することになった。
「社内では電子レンジについて『やりたい』『やってほしい』という声が聞かれることがありました」
こう話す稗田氏。食と暮らしを支える製品をつくっている同社にとって、世帯所有率が高いレンジは、一度撤退したとはいえ魅力的な市場だった。
レンジ市場への再参入を決めた背景として、稗田氏は次のようなエピソードも明かす。
「当社の社員が家電量販店に販売応援に行くと、お客さまからレンジのことを聞かれることがあるそうです。お客さまからすると、象印マホービンはレンジを扱っていそうなイメージがあり、親和性があるように感じられました」
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