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「乃が美」と「いきなり!ステーキ」の共通点は何か 両社がハマった沼:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」が苦戦している。贅沢品を扱う両社はなぜ低迷しているのか。共通点を探してみると……。
「贅沢(ぜいたく)品」を扱っている有名店がそろって“泥沼”にハマっている。
まず、2斤972円という「高級生食パン」で知られる「乃が美」のフランチャイズ加盟店の多くが赤字に陥って閉店が相次いでいると、『週刊文春』が報じている。(参照リンク)
さらに、ステーキを立ち食いスタイルで提供している「いきなり!ステーキ」も業績が悪化して130店舗を閉店したが、まだ苦しい戦いが続いているという。
運営するペッパーフードサービスの2022年12月期は5億300万円の経常損失。大量閉店をしても赤字から脱却できていないのだ。
ご存じのように「乃が美」も「いきなり!ステーキ」も数年前までは、飛ぶ鳥を落とす勢いで店舗数を広げていた。マスコミにもチヤホヤされて、「高級食パンブームの火付け役」「いきなり!ステーキの快進撃」なんて持ち上げられていたのを覚えている方も多いはずだ。
しかし、残念ながら今はその面影すらない。ネットやSNSでも「高いだけ」「一度食べればいい」など辛辣(しんらつ)な意見が並ぶ。贅沢品を扱っている両社は、なぜこんなにも苦戦しているのか。
最初は物珍しさで行列ができたが、飽きられてしまった。やはり値段の高さが受け入れられなかったなどさまざまな要素が考えられるが、個人的には両社に共通しているあの問題が大きいのではないかと考えている。
それは「全国制覇」だ。
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