英国の超豪華客船「クイーン・エリザベス」が日本発着クルーズを重視するワケ:乗船レポート2(2/4 ページ)
日本のクルーズ市場において外国客船は重要な位置を占めている。近年利用者が急増している「フライ&クルーズ」は日本人が飛行機で海外に赴いて現地のクルーズを利用する形態だった。今回の記事で紹介する外国客船による日本発着クルーズはその逆で、客船が海外から日本にやってきて日本の周辺海域を航海する。
クイーン・エリザベスで感じる英国の空気と日本との縁
実際、船内で過ごしていると「英国」を感じる機会が至るところにある。英国のパブを再現したレストラン「ゴールデン・ライオン」では、英国の旅行ガイドなどで必ず紹介される「パブ・ランチ」を提供している。
また、英国の食文化といえば簡素なコンチネンタルスタイルと対極にあるボリュームたっぷりのフルブレックファストも有名だが、「ブリタニア・レストラン」で「キュナーズ ゲットアップ アンド ゴー シグネチャー プレート」を頼むとフライドエッグ(英国流に片面焼きで黄身は鮮やかな黄色)にソーセージ、バックベーコン、マッシュルームソテー、グリルトマトなどをモリモリっと載せた“いかにも”イングリッシュなフルブレックファストが出てくる。
食の体験という意味では、最近日本でも関心が高まっているアフタヌーンティーも重要な英国文化といえる。これも、午後3時近くになると船内広間「クイーンズ・ルーム」で催される。アフタヌーンティーというと三段重ねのお皿のタワー、というイメージだがクイーン・エリザベスではトレイを持ったスタッフが席までやってきてフィンガーサンドイッチからペストリー、そしてクロテッドクリームとスコーンを給仕するコース料理のようなスタイルで楽しむようになっている。
アフタヌーンティーを催しているクイーンズ・ルームは、社交ダンスを楽しむボールルームとしても利用されている広間で、付近にはエリザベス2世女王をはじめとする王室関連の肖像画が飾られている。
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