ジェンダーレス水着、中学校でテスト販売した結果は? 教師が語った切実なニーズ:約200校が採用を検討(3/4 ページ)
フットマークは、男女デザインが同じジェンダーレス水着「男女共用セパレーツ水着」の本格販売を開始した。2022年に商品概要を発表し、話題になっていた。テスト販売をした学校からはどんな声が寄せられたのか。
テスト販売の結果は?
22年、フットマークは東京都と兵庫県の計3校でテスト販売を実施したが反響はどうだったのか。
担当者によると、1学年の約半数が新型水着を選んだ学校もあったという。
23年度にはすでに200校以上の学校が導入を検討している。公立中学校の割合が高いのが特徴だ。プールの授業が本格的に始まるのは5月末〜6月なので、導入する学校はさらに増える可能性が高いと担当者は分析している。
新型水着を学校に提案する中で、ハーフパンツが特に好評だったことに驚いたという。女子用の水着はいろいろなタイプがあるが、お尻の形がどうしても目立つタイプが多く、これまでは「仕方ない」と我慢していた生徒が多かった。一方、新型水着のハーフパンツはお尻の部分がゆったりとしており、目立ちにくい。その点が高く評価された。
新型水着の採用を決めたある中学校の体育教師によると、水泳の授業を見学する女子がもともと多かったが、最近は授業に参加しない男子も増えていたことが悩みだったという。肌を見せたくないというのは女子だけの悩みではなく、男子の中にも根強くあったのが理由だ。具体的には、やせていたり、太っていたりといった体型を気にする生徒が多かった。新型水着を導入することで、少しでも水泳の授業に参加する生徒を増やしたい考えだ。
実際に水着を着用した生徒からは「水着姿が気にならず、授業に集中できた」「肌や体毛が隠せて日焼け防止もできて良かった」という声が寄せられた。また「(袖が長いので)寒い時期でも気にならず生徒が水泳授業に参加できる」「実際の水泳授業でも泳ぎには問題なかった」と評価する教師もいたという。
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