ハッピーターン、第2の「魔法の粉」開発 発売47年のタイミングで世に出した、深い理由とは?:「公式ライバルに」(1/3 ページ)
ハッピーターンの1976年の発売から47年となる今年、亀田製菓は第2の「魔法の粉」を開発した。その名も「ハッピースパイス」。50回以上の試作を経て完成させた。
「ハッピーターン」といえば「亀田の柿の種」と並び、亀田製菓(新潟市江南区)を代表する人気菓子だ。サクサクした煎餅にふりかけられた「ハッピーパウダー」は“魔法の粉”と呼ばれ、熱烈なファンも多い。
1976年の発売から47年となる今年、同社は第2の「魔法の粉」を開発した。その名も「ハッピースパイス」。50回以上の試作を経て完成させた。でも、あと3年待てば50年。47年というタイミングは若干、切れの悪さを感じるが、同社には50年の節目を待たずして世に出したい理由があった。
「ハッピーパウダーの公式ライバルとして、これまでとは異なる全く新しいおいしさを、いちから開発しようと試作をスタートさせました」
こう話すのは、同社マーケティング戦略部ハッピーターン担当の林克昭さんだ。
これまでも、ハッピーターンの特徴である“甘じょっぱい”味わいを基に、ゆでたてのえだ豆の風味を加えた「えだ豆味」などの期間限定商品を展開してきた。こうした商品は目指すべき味わいのゴールが決まっていた。
一方、今回開発した「ハッピースパイス」は、従来の甘じょっぱい味を生かしつつも、これまでにない味わいを実現するため、さまざまなスパイスの組み合わせを探っていく作業だった。「目標とする味が最初から定まっていない中で50回以上の試作を重ねました」(林さん)
甘じょっぱい味わいとスパイスの組み合わせは相反するのではないか――。こうした意見も挙がる中、20人以上の技術担当者が携わり、手探りの中で約1年の月日を開発に費やしたという。
関連記事
- 亀田の社員も解けない? 「ぽたぽた焼」難しすぎるクイズに反響 包装にもこだわる理由
「心のやさしい人が、コンビニでよく買うものな〜んだ?」――。先日、亀田製菓の「ぽたぽた焼」の個包装に載せられたなぞなぞがSNSで「難しすぎる」と話題になった。個包装に載せるなぞなぞや豆知識は、どうやって作っているのだろうか。 - 「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」家具大手ぬいぐるみ なぜ人気?
「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」――。大手家具メーカーの”看板商品”とも言えるぬいぐるみの人気のわけを探る。 - 1泊400万円超も 「超高級」外資系ホテル、日本に続々初進出のワケ 専門家に聞いた
富裕層の外国人旅行者の需要を見込み、日本初となる外資系の超高級ホテルが都内に相次ぎ進出している。4月4日、JR東京駅前にイタリアの高級ブランド、ブルガリが「ブルガリホテル東京」をオープンした。今秋にかけてハイアット系列の「ホテル虎ノ門ヒルズ」、アマン系列の「ジャヌ東京」などが開業を控える。なぜいま、超高級ホテルの日本初進出が相次いでいるのか。ホテル評論家の瀧澤信秋氏に話を聞いた。 - 「その苦情、行き過ぎでは?」 バス会社がカスハラの意見広告を出した真意
「その苦情、行き過ぎじゃありませんか?」――。3月、秋田県のバス会社が地元紙に出稿したある意見広告が、SNSや新聞報道を通じて大きな話題になった。利用者が過度な要求を突きつけるカスタマーハラスメント(カスハラ)への意見を表明したもので、「お客様は神様ではありません」との強い表現も見られる。相当な怒りを抱いているものと想像し話を聞くと、当初のイメージとは異なる回答が返ってきた。 - 刺身に電気を流して「アニサキス」撲滅 苦節30年、社長の執念が実った開発秘話
魚介類にひそむ寄生虫「アニサキス」による食中毒被害が増えている。この食中毒を防ぐため、創業以来30年以上に渡り、アニサキスと戦い続けてきた水産加工会社がある。昨年6月、切り身に電気を瞬間的に流してアニサキスを殺虫する画期的な装置を開発した。開発秘話を社長に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.