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ハッピーターン、第2の「魔法の粉」開発 発売47年のタイミングで世に出した、深い理由とは?「公式ライバルに」(2/3 ページ)

ハッピーターンの1976年の発売から47年となる今年、亀田製菓は第2の「魔法の粉」を開発した。その名も「ハッピースパイス」。50回以上の試作を経て完成させた。

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社員も知らされていないハッピーパウダーの調合割合

 多くの人がやみつきになるハッピーパウダーは、植物由来のたんぱく加水分解物、アミノ酸、砂糖、塩――を原料とする。これらをうまく調合することで、あの言葉には表せない独特の味わいが生まれる。同じ原料を使って自作で調合してみても、再現は至難。原料の調合割合は、社内でも一部の社員しか知らされていないという。


1976年の発売当時の「ハッピーターン」パッケージ

 「ハッピーターン スパイス」は、こうした従来の原料を基本としつつ、一部配合を調整しながらマッチする8種類のスパイスを組み合わせた。「公式ライバルと断言できるほどの唯一無二のやみつきパウダーに仕上がりました」と林さんは話す。

 ハッピーパウダーが多くの熱烈なファンを獲得したのは、その時代に合わせた改良を続けてきたからでもある。

 2005年、煎餅の生地に「パウダーポケット」と呼ばれる溝を作り、生地からハッピーパウダーが落ちるのを防ぐようにした。

 これに加え、07年には生地に「でこぼこゾーン」を作る。パウダーポケットとは別に、表面に凹凸を作り、生地がパウダーをよりキャッチして離さないようにした。

 これらの改良を同社は「パウダーキャッチ製法」と呼び、ハッピーターンの売り上げ拡大に大きく寄与した。09年にはパウダーを200%増量した商品、翌10年にはパウダーを250%増量したコンビニ限定商品も展開。15年の改良ではパウダーポケットをより大きくし、直近の19年には、味付けの最後にシャワーのようにかけてコクとうまみをアップさせる「ハッピーシャワー製法」を開発した。


「パウダーキャッチ製法」と「ハッピーシャワー製法」のイメージ図

 改良にとどまらず、他社とのコラボ企画なども展開する。22年5月には、コンビニ大手ローソンと連携し、「からあげクン ハッピーターン味」や「Lチキ ハッピーターン味」などのコラボ商品を開発した。

 「ロングセラーゆえ、商品自体は知っていても最近食べていない、買わなくなったというお客さまもいるかもしれません。こうしたコラボを通じて、いま一度ハッピーターンを思い出してもらう機会にしたいと考えました」と林さんは話す。

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