「ららぽーと門真」、アウトレットと禁断の合体!? 大型商業施設の“二刀流”戦略:将来は「三刀流」に(5/5 ページ)
4月17日に大阪・門真(かどま)に新しい施設がオープンした。ららぽーと、アウトレットパークの2業態複合型。この組み合わせはなぜ「禁じ手」とされてきたのか?
ららぼーと門真はまだ完成形ではない
ららぽーと門真の最大の特徴はこの二刀流にあるというのはここまでの内容でお分かりになったかと思います。しかし、同施設は実は今後「三刀流」へと進みます。
23年夏に同じ敷地内にコストコ門真店がオープンすることが決まっているからです。
つまりこの施設は、ショッピングモール+アウトレットモール+会員制ホールセールクラブの三刀流で構成される、類まれな商業街区となるのです。
これからの商業施設開発では、これくらいのダイナミックな組み合わせを考えていかないと大型商業施設として優位性を発揮することは難しくなると私は思います。
新しい大型商業施設を開発すれば集客し、もうかるという時代はとうに終わりを迎えました。これからは、生活者にとってどれだけ強烈な組み合わせを提供できるかが勝負になります。
それを真剣に考えて組み立てた事業者のみが支持されるようになります。
商業者、開発者にとって、自社の経営を考えるためのヒントを教えてくれる施設となるでしょう。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。
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