愛読書は“ギャル雑誌”? 「はにゃ?」「勝たん」――令和版万葉集ヒットの背景:和歌とSNSは似ている?(1/3 ページ)
「はにゃ?」「織姫しか勝たん!」「ワンチャンないで」――。日本最古の和歌集『万葉集』を「令和言葉・奈良弁」で訳した書籍が売れている。なぜ万葉集を若者言葉、しかも奈良弁で訳したのか?
「はにゃ?」「織姫しか勝たん!」「ワンチャンないで」――。1300年前に奈良で生まれた、日本最古の和歌集『万葉集』を「令和言葉・奈良弁」で訳した『愛するよりも愛されたい 令和言葉・奈良弁で訳した万葉集1』(万葉社)がヒットしている。
作中にはYouTubeやTiktokで見るような「若者言葉」がずらり。私たちがかつて学校で習った現代語訳とは全く違う、ポップな訳が並ぶ。著者は高松市で万葉社を一人で経営する佐々木良さん。佐々木さんはなぜ、万葉集を若者言葉、しかも奈良弁で訳そうと考えたのだろう。
KinKi Kidsの名曲からインスピレーション?
『愛するよりも愛されたい 令和言葉・奈良弁で訳した万葉集1』は恋の歌をテーマに、万葉集が生まれた奈良弁で、しかも令和の言葉で訳した本。タイトルは、KinKi Kids『愛されるより 愛したい』をもじったそう。
【訂正:2023年10月4日 一部表現を修正しました】
タイトルだけではなく、作中には「奈良感」が満載。同じく奈良県出身のシンガー青山テルマさんの楽曲をイメージさせる言い回しや、奈良県民にはなじみ深いというショッピングセンター「ならファミリー」が登場する。
2022年10月に発売以降じわじわと売り上げを伸ばし続け、現在は7刷9万部を記録している。
同作は執筆もデザインも印刷も全て佐々木さんが1人で担当している。出版元の万葉社は、佐々木さんがコロナ給付金10万円を資本金にし、20年に立ち上げた。「『文化を発信し、それが読まれることで経済が発展する』――文化による経済発展を目的とした会社です」(佐々木さん)
佐々木さんは「こんなん誰が買うねん、と思いながらふざけて出した本なのに、売れに売れて驚いています」と話す。
関連記事
- 営業マンからバリスタへ 68歳男性がスタバでフラペチーノを作る理由
スタバの象徴、緑のエプロンを身に付け、フラペチーノを作る「68歳」の児玉さん。バリスタとしてすべての業務を担当。かたくなに『バリスタはしない』と避けていました」と振り返るが……? - 日本の大学ランキング 3位「大阪大学」、2位「東京大学」、1位は?
英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」はベネッセグループの協力のもと、今年で7回目となる「THE 日本大学ランキング2023」を発表した。 - 青森ねぶた、100万円の観覧席が完売 提供された“プレミアム”なサービスとは?
青森ねぶた祭で「1組100万円のプレミアム観覧席」を販売した。完売を記録し、購入者からもプレミアムなサービスが高く評価された。どのような特典が付いているのだろうか。 - 「溶接の作業着」がキャンパーに爆売れ ワークマンが「エクセル研修」を強化して見えた新たなニーズとは
ワークマン好調の背景には「データ活用の強化」がある。作業服だけではなく、新業態を続々とオープンし、新規層を獲得。「エクセル研修」を強化して見えた新たなニーズとは? - 「ごみを売るなんて!」反対の声も 火事の元になる厄介者「今治のホコリ」が売れたワケ
カラフルな着火剤「今治のホコリ」が売れている。この商品は、染色した後乾燥させる際に出たホコリを活用。開発当初は「ごみを売るなんて!」反対の声も出ていたというが――。 - 買うべき材料、全部入れときました! 小田急系スーパーの奇抜すぎる「商品カート」が話題
Odakyu OX 祖師谷店の、料理に必要な材料を商品カートにあらかじめ入れた状態で店頭に用意する取り組みが話題。石狩鍋やスープカレーが作れるカートを用意し、Twitter上では「何も決めずにスーパー行く時は助かります」などと好評だ。提供のきっかけを同店に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.