営業マンからバリスタへ 68歳男性がスタバでフラペチーノを作る理由:職場で恋バナも(1/5 ページ)
スタバの象徴、緑のエプロンを身に付け、フラペチーノを作る「68歳」の児玉さん。バリスタとしてすべての業務を担当。かたくなに『バリスタはしない』と避けていました」と振り返るが……?
スターバックスの象徴ともいえる緑のエプロンを身に付け、フラペチーノを作る「68歳」の男性がいる。ホリデイ・スクエア豊橋店(愛知県豊橋市)で働く児玉吉弥さんは、65歳で定年退職をしてから3年以上、スターバックスで働いている。
スターバックス コーヒー ジャパン(以下、スタバ)では、従業員の多様な働き方を進めるべく、さまざまなサポートを行っている。その中の一つに、業務を限定した働き方を可能とする「カフェアテンダント制度」がある。業務を商品の陳列、清掃などに絞り込み、短時間の勤務を可能にする制度だ。児玉さんもカフェアテンダント制度を活用し、スターバックスに入社。現在はレジ業務やバリスタに担当業務を拡げ、活躍している。
営業→バリスタへ ダメもとで応募
児玉さんはこれまで営業の仕事をしており、60歳で定年。その後も再雇用で65歳まで勤め上げたという。「退職後3カ月程度はぶらぶらしていた」というが、再度働くことを決めた。
「ここまで働いたんだから少しのんびりしようと思いましたが、定年を過ぎて仕事がなくなるとやることがないんです。よく『毎日が日曜日』といいますが、日曜日は、平日があるから楽しくなるんですよね」
「実際、諸先輩を見ていると、自宅で喫茶店を始めたり、役所の仕事や介護施設の送迎をしていたり、みんな働いている印象がありました。68歳くらいまでは働けるな、という感覚があったので、68までは働こうと思っていました」(児玉さん)
児玉さんは定年を迎えるにあたり、和菓子教室やそば打ちに通ったという。家族に和菓子をふるまった際に「おいしいからこれで商売できるよ」といわれ、商売をしてみようかとも考えたが、単価や労力を考え断念したという。
しかし、飲食店への興味は高まっていた。和菓子作りの経験を生かし、「あんこをつくりたい」と地元の和菓子店に応募。「間に合っている」といわれてしまった。パン店などにも応募した。
「毎日の日課として新聞を読んでいるのですが、15年ほど前にスタバの記事を読んだんです。米国でそこそこ年齢を重ねた方がスタバで働き、人生が変わったという話でした。この記事を思い出し、アルバイト募集に応募。スタバは若い人が行くところというイメージがあって、採用されるとは思っていませんでしたね。心残りを残したくないという思いで応募しましたが、記念受験のような感覚でした」(児玉さん)
関連記事
- 全国にたった“17人” スタバ黒板アート職人「GAHAKU」は何者なの?
日本のスタバには、「GAHAKU」と呼ばれる黒板アートの達人が存在する。GAHAKUは全国にたった17人。倍率12倍以上の選考を勝ち抜き、従業員の“お手本”となる黒板アートを制作している。 - 日本の大学ランキング 3位「大阪大学」、2位「東京大学」、1位は?
英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」はベネッセグループの協力のもと、今年で7回目となる「THE 日本大学ランキング2023」を発表した。 - 「こぼしそう」なのに、スタバの“フタなし”フラペチーノが受け入れられたワケ
スタバは店内で提供する全アイスドリンクをフタ(リッド)なしで提供する。紙ストロー、フタなしドリンクなどの取り組みはなぜ利用者に受け入れられるのか。キーワードは「共感の醸成」だという。 - 「溶接の作業着」がキャンパーに爆売れ ワークマンが「エクセル研修」を強化して見えた新たなニーズとは
ワークマン好調の背景には「データ活用の強化」がある。作業服だけではなく、新業態を続々とオープンし、新規層を獲得。「エクセル研修」を強化して見えた新たなニーズとは? - 高級ホテルブッフェの残り、弁当で提供 2カ月で100キロの食品ロスを削減できたアプリ「TABETE」とは?
ホテル滞在の楽しみの1つである「朝食ブッフェ」。長年課題とされてきた「食品ロス」問題だが、2カ月で100キロ、50%削減したアプリがある。食品ロス削減アプリ「TABETE」とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.