なぜ、「サイゼ」直結のホテルが誕生したのか そのビジネスモデルは? 担当者に聞いてみた:ビジネス小話(1/2 ページ)
大手ファミレスチェーン「サイゼリヤ」と直結しているホテルがある。入居している背景について広報担当者に聞いてみた。
コーナー:ビジネス小話
本記事は、日々の取材で記者が見聞きした小話をコラム形式で紹介していくコーナーです。
大手ファミレスチェーン「サイゼリヤ」と直結しているホテルがある。ホテルの受付は2階にあるのだが、すぐ隣に扉があり、宿泊者が気楽にサイゼを利用できるようになっているのだ。また、ホテルの1階にも階段があり、一般客も利用可能となっている。
「ロイヤルホスト」が、グループ会社の運営する「リッチモンドホテル」内で営業するといった事例もあるので、ファミレスがホテル内にあること自体が珍しいわけではない。
記者は家族でサイゼをよく使うことがあり、個人的に興味を持った(参考記事)。そこで、同ホテルの広報担当者にその背景を聞いてみた。
MIMARUの狙い
サイゼと直結しているのは、2022年6月にオープンした「MIMARU(みまる)東京 STATION EAST」(東京都中央区)だ。14階建てで、敷地面積は611平米、延べ床面積は5984平米となっている。
4人定員68室、6人定員17室の全85室だ。1部屋当たり40〜70平米となっており、7割の客室が2ベッドルームを採用している。定員4人(約40平米)のタイプで、1泊1室当たり約3万7500円〜となっている(23年2月時点の価格、時期により異なる)。
MIMARUシリーズが立ち上がったのは2017年だ。MIMARUの「み」は「みんな」の「み」、「まる」は「泊まる」の「まる」を意味している。開業当初より、海外から訪れるファミリー層がメインターゲットだ。MIMARUは主要駅から徒歩5分圏内に立地しており、東京に15施設、京都に8施設、大阪に5施設が存在する(4月21日時点)。
ホテルを運営するコスモスホテルマネジメント(東京都港区)の広報担当者は、MIMARUのコンセプトについて「広い客室とフロントというシンプルな運営サービスで提供する宿泊特化型のホテルであり、食事などは、街の中にある魅力的な飲食店を利用していただきます。また、食材を室内で調理するといったシーンも想定しています」と説明する。
日本の都市型ホテルには2人タイプの部屋が多く、ファミリーが一緒の空間で楽しみにくいということが、同ホテル誕生の背景にあるという。
MIMARUは全客室にキッチンが付いており、調理器具や人数分の食器を用意している。また、ダイニングスペースも備わった広い客室で、大人数での中長期宿泊ニーズに対応しているのが特徴だ。
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