1泊20万円! 電気と水を自給しているホテルが、稼働率90%の理由:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
既存のインフラを利用せずに、100%自給でまかなっているホテルがある。三島駅からクルマで1時間ほどのところにある「WEAZER 西伊豆」だ。電気や水をどのようにつくっているのか、開発した会社を取材したところ……。
太陽光から電気を、雨水から水を――。既存のインフラを利用せずに、100%自給でまかなっているホテルをご存じだろうか。東海道新幹線の三島駅からクルマで1時間ほどのところにある「WEAZER(ウェザー) 西伊豆」だ。
空き家や遊休地などの利活用を手掛けるARTH社(東京都中央区)が2022年12月にオープンしたところ、「オレもオレも」「ワタシもワタシも」といった感じで、泊まりたい人が増えているのだ。とはいっても、料金は安くない。シーズンやプランによって違ってくるが、1泊で16万〜20万円(2人利用)ほどするのだ。
「た、高いねえ。環境には優しそうだけれど、財布には優しくないよ。泊まりたい人が増えているって、本当なの?」などと思われたかもしれないが、これまでのところ稼働率は90%前後で推移しているという。
WEAZER 西伊豆はどんなところなのかというと、泊まれるのは1日1組のみ。外観はシンプルな直方体で、20フィートコンテナ(幅2.33×長さ5.867メートル)とほぼ同じサイズのユニット6台で構成されている。建物は1階建てで、室内の広さは76平方メートルほど。壁一面に強化ガラスがはめ込まれていて、駿河湾を一望できる設計となっている。
「天気がよい夕方には、駿河湾に沈む夕日を。朝には太陽でキラキラ輝く海を見ることができますね」(同社)。ロケーションのよさを満喫できそうだが、気になるのはやはり電気・水道・ガスといった既存のインフラを使わないのに、どうやってやりくりしているかである。
部屋の中には照明もあるし、空調もあるし、家電もあるし、シャワーもある。それらに必要な電気や水はどのように自給しているのかというと、太陽光発電で電気をつくり、雨水をろ過、滅菌して水をつくっているのだ。
「うーん、オレは腹が弱いからなあ。冷たい水をちょっと飲むだけで、すぐに痛くなるほど貧弱で」といった人もいるかもしれないが、東京都の衛生基準をクリアしているので、そこまで心配しなくてもよいかも。ちなみに、トイレの排水は土壌ろ過を使った特殊な装置で浄化しているので、「周辺の環境を痛めることはないですね」(同社)とのこと。
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